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決算をミスる、とは

決算をミスる、とは

●「決算をミスする」「決算に失敗する」という投資用語があります。
一般的には略して「ミスる」といいます。
上場企業は四半期ごとに決算を発表する義務があるのですが、その内容が事前期待を下回ることが決算ミスになるわけです。
7月29日に米国のAmazonが四半期決算を発表したのですが、11四半期ぶりにミスりました。

●決算発表で特に注目されているのは次の三点。それらがアナリストたちの期待値の平均(コンセンサス)を上回るかどうかが勝負です

1.売上高の実績(コンセンサスと比べて〇か×か)
2.一株利益の実績(    〃    〃    )
3.ガイダンス(次の四半期以降の数字見通しがコンセンサスに比べて〇か×か)

この三つのうち一つでも「×」があるとミスになります。
Amazonは今回1と3の二つでミスしました。
2は文句なしの数字でも、他の二つがミスしてしまうとひどい目にあいます。
翌日は失望売りを浴び、7.5%も安くなりました。
年初からの上昇率の半分以上をたった一日で失ってしまったのです。
これが市場の掟です。

●IT系の企業など、もともと期待値が高い企業は株価も高くなっています。
そうした会社は1から3までオール〇で当然で、好決算を発表しても株価はほとんど上がりません。
その好例がshopify(ショッピファイ)です。
アマゾンの前日に素晴らしい決算を発表したにもかかわらず市場はまったく反応せず、前日比で1.6%下落しました。

●オール〇が当然で、ひとつでも×があると市場は敏感に反応し、ふたつ×が付けば市場は騒ぎだします。
今回のアマゾンの決算ミスを市場関係者の一部は「アマゾンショック」と大げさにいう人がいるほどです。

●私がアマゾン貯株をしているのを知っている友人が「大打撃だね」と心配してくれましたが、私は全然平気です。
アマゾン株の長期にわたる成長力にかげりが出たのなら心配しますが、そうではありません。
コロナ禍に起きた通販特需が終わったので前年比で伸び率が鈍化するのは当然だからです。
当たり前のことが起きただけなのに、大騒ぎして狼狽売りする投資家がたくさんいるから賢明な投資家にチャンスが生まれるのです。

●はっきり言います。
この決算内容でこの売られ方は異常です。
念ながら買い付け余力が足りないのですぐの買い増しはできませんが、今月中に行うアマゾン貯株ではまた買い足しするのは当然です。

★Bloomberg記事
「アマゾン、7-9月売上高見通しが市場予想下回る-株価下落」
→ https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-07-29/QX0WGVT0AFB401

●あなたも投資候補企業を10銘柄以内に絞り込み、継続的に四半期業績をチェックしてみてください。
IRページをみれば過去情報とともに今後のIR日程も載っています。
継続してIRをチェックし、資料を読むことによって点ではなく線でその企業の実力がつかめます。
企業ごとに異なる傾向とクセをつかむことで投資判断の精度があがります。

●この8月には、個人的に注目しているSquare、NVIDIA、Zoomといった企業が四半期決算を発表します。
まるで子どもが通信簿をもって帰ってくるのを待つ親の気分です。
もちろんこれらの企業の将来性は高く評価しているものの、短期ではいろんなことが起こるため、期待と不安の入り交じった落ち着かない気分です。