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好きとあこがれが原動力

今日のYouTube新作

■ある人材が面接会場に持参した「人間レビュー」に面接官衝撃

ネットで買い物するときは、レビューの内容やレビューそのものの信頼性が重視される時代です。
これはネット通販だけでなく、映画でも音楽でも外食するお店選びやホテル・旅館選びにいたるまであらゆる分野でいえることです。
今日の動画は人事の採用においても口コミが重要であることを教えてくれる実話ベースエピソードです。

好きとあこがれが原動力

●『グレイテスト・ショーマン』や『ラ・ラ・ランド』などミュージカル仕立ての映画は観るだけでなく、音声と楽曲だけを聴くという楽しみ方がある。
そんな話をスタッフの前で偉そうに述べていた私だが、スタッフの方が上を言っていた。
なんと寅さん映画を毎日「聴いている」というのだ。

●Netflixにある『男はつらいよ』をスマホにダウンロードし、それを会社への行き帰りにヘッドホンで聞くらしい。
「それで面白いの?」と尋ねると、「あれこれ想像するのでかえって面白い」という。

●ある先輩が毎日、落語家の古今亭志ん生ばかり聞いていたら、先輩の話し方まで志ん生そのものになってしまった。
それほど私たちは毎日のように見聞きしているものに染まっていく。
そういえばスタッフも寅さんの話し方に似てきたような気がする。

●中国北京生まれの劉さんという若い女性がいる。
彼女が幼稚園児のころ幼稚園のテレビで、日本アニメの『聖闘士星矢』(セイントセイヤ)をみんなで見た。
セリフは中国語に吹き替えられていたが、オープニングとエンディングの歌は日本語のままで、それが日本語との出会いだった。

●日本語の発音が『かっこいい』と感じた。
この『かっこいい』というあこがれの感情が劉さんの将来を決めていく。
小学校6年生のとき、『新世紀エヴァンゲリオン』を見た。
今度は中国語の字幕がついた日本語のアニメだった。
そのとき日本の声優の演技に衝撃を受けた。

●彼女の言葉をそのまま使えば「日本語は全然わからないのに、言語の意味を超えて、一挙にバーンと来ました」となる。
キャラクターが叫んだり泣いたりあらがったりしている感情が言語の意味を超えて聞き手に伝わってきたのだろう。
そこから、声優という仕事と日本語そのものにも憧れをいだき、将来は日本に行って声優になると決めた。

●高校3年生のときアニメ『鋼の錬金術師』を見て感動した劉さん
主人公エド役の声優が朴美(ぱくろみ)さんだと知り、「外国人でも日本で声優になれるんだ。私にもできる」と思い込んだ。
その朴(ぱく)さんが日本生まれの日本人であることは、劉さんが日本に来てから知ることになるが、とにもかくにも北京外国語大学日本語学科に入学した。

●大学では日本人の先生にきっちりと気持ちを伝えた。
自分は日本語の声優を目指しているのでアクセントや発音がおかしかったら絶対に直してください、と。
何度やってももうまく言えないときには先生から「100回練習すれば、きっと言える」と言われた。
「なんだ、解決法があるじゃない。100回練習すればいいんだ」と思って気が楽になり練習を続けた。
その練習を辛いと思ったことはなく、あこがれの仕事につくためなので楽しかった。

●その劉さんは大学2年生のとき交換留学生として愛知県小牧市の愛知文教大で10カ月間学んだ。
2009年からは東京の専門学校の声優コースに留学している。
在学中にスカウトされ、卒業後に声優として本格的に日本で活動を始めた。
声優としての名前は「劉セイラ」。
こちら↓のホームページで彼女の声を聞くことができるが、日本語ネイティブにしか聞こえない。
 https://www.aoni.co.jp/search/ryu-seira.html

好きだから頻繁に聞く。あこがれているから頻繁に聞く。
すると、どんどん似てくる。

★朝日新聞の劉さんの記事(有料会員記事)
→ https://digital.asahi.com/articles/ASP7174XBP6BUHBI012.html?iref=pc_rellink_03