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大喰いチャンピオンは科学者
※何年か前にもこの記事を書きましたが、大好きな話ですのでまた
●ホットドックの早喰い選手権王者、小林尊(たける)。
New Yorkで毎年開かれるホットドッグの早食い選手権は12分間で
ドリンクは何杯飲んでも構わないが、大量に吐くと失格になる。
●小林が参加するまでの世界記録は12分間で25.125本だっ
多くの人は「これが人間の限界」だと信じていたようだ。
出場者はいずれも巨漢で、はるばる日本から初参加した小林は小柄
大会関係者も他の参加者も小林のことを無視した。
「どうせ日本から観光気分でやってきたホットドッグ好きの青年だ
●だが小林は物見遊山で New York に来るような余裕はなかった。
あくまで賞金稼ぎに来ていたのだ。
日本ではイケメンフードファイターとして有名でも、NYではまっ
何ヶ月も前から戦略と戦術を練り、練習に練習を重ねて来
●小林はまず歴代チャンピオンたちの映像を入手した。
彼らは皆、ホットドッグを端から口に押し込んで食べていた。
だれ
●だが「もっと早く口に入れる方法があるはずだ」と小林は考えた
そして見つけた。
ホットドッグをまず半分に割ってから口に入れれば一気に口に入る
両手がすぐに自由になるので次のホットドッグに手を伸ばし、咀嚼
これだけで1個につき何秒も
●次に小林はパンとソーセージを別々に食べてみた。
ソーセージは
そこでパンを水につけ
水の温度も、冷たいものから熱いものまでいろいろ試し、一番早く
さらには水のなかにいろんなモノを
不思議なことに植物油を数滴混ぜることで咀嚼に
●小林はこうした試行錯誤とトレーニングのすべてを録画し、ノー
全速力で一気に食べるのが早いか、ピッチ走法のようにペース配分
●咀嚼のピッチや方法、飲み込んで胃袋に送りこむタイミング、食
巨漢たちの競技、大喰いたちの競技であるホットドッグ選手権に参
●いよいよ大会本番が始まった。
人間の限界と思われる12分間で25.125本という記録を破れ
そして破るのは誰か?
2分、3分・・・。観衆は日本から来た青年のハイペースぶりに驚
飛ばしすぎだと思われたが、一向にペースが落ちない。
そして遂に
とんでもない記録が出て
小林が食べたのは50本!
●限界と思われていた数字の倍近くを細身の小林が食べきったのだ
勝者を無条件にたたえる New York っ子といえどもこの勝ちっぷりのすごさに疑いをもったようだ。
「手術で胃を広げている」「第二の胃を移植した」
あり得ないデマが飛び交った。
だが、小林の練習法などが漏れ伝わ
小林は言う。
「本当に大事なのは、目の前の食べ物にいかに取り組むかなんです
●賞金稼ぎに本気なら、巨漢になるか科学者になるかを決める必要
それにしても小林のような参謀が企業に欲しい。
※『失敗の科学』(マシュー・サイド著)より