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HOKUSAIを観て

今日のYouTube新作

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残念ながらいまだにDX化の波に抵抗している会社がたくさんあります。
正しくいえば抵抗しているのでなく漂流しているのです。
きちんとDXを勉強し自社にあったDX計画を作ってください。
時間はもう残っていません。

HOKUSAIを観て

※映画のネタバレはありません。

●封切りされたばかりの映画『HOKUSAI』を観てきた。
もともとは去年の5月に公開される予定だった作品がコロナの影響で一年延びた。

若き北斎を柳楽優弥が、晩年の北斎を田中泯が演じた。
北斎より先に美人画で江戸っ子から人気を博していた喜多川歌麿を玉木宏が演じたが、歌麿らしさあふれる妖艶さで玉木の新境地をみる思いだった。

●病魔に冒されながら絵師たちをプロデュースする浮世絵出版の蔦谷重三郎を阿部寛が演じた。
「TSUTAYA」の由来にもなった人物だが、彼の目利きと胆力と財力なくして浮世絵という町人文化がこれほど日本に根付いたかどうかあやしい。

●ウィキペディアによれば浮世絵関係者の生没年はこうなっている

蔦屋重三郎(1750年ー1797年 47歳没)
喜多川歌麿(1753年ー1806年 53歳没)
葛飾北斎 (1760年ー1849年 89歳没)
東洲斎写楽(1763年ー1820年 57歳没)※かなり謎の多い人物
歌川広重 (1797年ー1858年 61歳没)

広重だけが少し遅れて生まれているが、あとはすべて同世代。
映画では写楽の華々しいデビューを祝って蔦谷が酒席を設ける場面がある。
そこに歌麿も北斎も同席するのだが、果たして浮世絵界の巨頭が勢揃いするようなことが実際にあったのだろうか。
おそらくフィクションだが、あり得る話でもあり、想像するとワクワクする。

●最も長命だった北斎。
だが68歳のとき中風(脳出血)で倒れている。
一命を取りとめたものの、手の震えが止まらなくなった。
絵師として致命的な病気だ。
だが北斎はユズの薬を服用し、見事に病魔を克服している。
絵を描きたい、という並外れた情熱がなければこのあたりで寿命を終えていてもおかしくないはずだ。

●さらに北斎の北斎らしいところはここからである。
70になって一人旅に出ているのだ。
行き倒れになるリスクを恐れず、画風を広げるために旅にでているのだ。
このときのスケッチが元となって北斎の代表作「富嶽三十六景」シリーズが完成している。
江戸中が北斎の浮世絵に群がった。
北斎を文字通り「北斎」(北斗七星のこと)たらしめ、ゴッホやゴーギャン、セザンヌ、モネ、ルノワールなど世界の画家に影響を与えたあの富嶽三十六景は北斎71歳の作品集なのだ。

●勝川春朗と名乗っていた若き北斎の才能を見抜いた蔦谷重三郎は北斎の富嶽シリーズを見ることなく死んだ。
だが、蔦谷が春朗に言ったつぎの言葉は北斎のなかに生き続けた。

「絵は世のなかを変えられる」

●こんなことを書いていたら蔦谷のことをもっと知りたくなった。
蔦谷の小説がでているので読んでみよう。
もちろん北斎の絵を改めてみたくなった。
小布施にでも行ってみようかしら。

★映画『HOKUSAI』 ⇒ https://www.hokusai2020.com/