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スポンサーシップとシャドウイング

今日のYouTube新作

■【馬子にも衣装】ドレスコードのあるフィンテック企業

社員の発案で始めて毎月1の日だけのドレスコード。
これが意外に好評だという。
その理由を社長に聞いてみた。

スポンサーシップとシャドウイング

●あなたは「スポンサーシップ」という言葉をご存知だろうか。
ポンシー(支援される側の人)のキャリア構築を支援するために、スポンサーが露払いや太刀持ちの役を買って出ることをいう。

●たとえば、昨日も書いたように新ポストに就任した私の仕事をしやすくするためにH社長自ら会議などの場で社内報「ザ・ファイト」の権威づけをしてくれた。
これもひとつのスポンサーシップと言える。

●ただ一般的につかわれる「スポンサーシップ」はもっと限定的な意味をもつ。
たとえば企業が女性の管理職や経営幹部を増やすために、役員クラスの人材がスポンサーになる。
そして、選ばれた女性社員をマンツーマンで指導し昇進を後押しする。
時には本人に代わって業績や能力を社内にアピールし、昇進を実現するための役割を積極的に担うのだ。
こうしたことを「スポンサーシップ」と言う。
以前からあるメンター制度やエルダー制度より一歩踏みこんで、対象者の昇進を前提に育成支援するところが大きな特徴である。

●「スポンサーシップ」によく似たものに「シャドウイング」という制度もある。
もともとは子ども向け職業体験プログラムからスタートした言葉だ。
児童、生徒、大学生が、企業の社員に半日か1日、文字通り「影」のように張りついて同行することからその名がついた。
彼らがどのような仕事をしているのかを観察し、学ぶことから将来の職業選択をしやすくさせる取り組みだ。
実際に働いてもらう「インターンシップ」に対し「シャドウイング」は観察と学習が目的だ。

●この「シャドウイング」が最近は子ども向けプログラムだけでなく企業内の人事制度にも組み込まれるようになった。
上司や役員に影のように密着し行動を共にすることで教育訓練の機会とするわけだ。

●たとえばこちらの事例。損保ジャパンの西沢社長に同行する女性幹部のシャドウイングが記事になっているが、こうした取り組みが世界中に広がっている。
⇒ https://style.nikkei.com/article/DGXMZO41315040V10C19A2TY5000/

●期間は数日から数ヶ月、時には1年とさまざまだ。
アマゾンのジェフベゾスはかなり以前からこのシャドウイングを行ってきた。
後継経営者の候補となるような人材に対し、「良かったら僕のシャドウをやってみないか。その間は日常業務から離れてもらわねばならないので、もちろん断る権利も君にある」と声をかける。

●シャドウになれば役員になれる可能性が広がる。
多くの場合は引き受けるそうだ。
合意すれば、たえずジェフの周囲にいてジェフから直接間接に学び、サポートする。
もちろんジェフから意見を求められることもある。
そういう人が身近にいることで、ジェフ自身も緊張感ある毎日を送れるわけだ。

●日本でも昔から「カバン持ち」という言葉がある。
身の回りの世話をしながら様々なことを学ぶわけだが「カバン持ち」という単語自体に抵抗がある。
おそらく日本でも今後は「シャドウイング」が普及していくだろう。

●幹部の登用だけでなく、後継者育成や事業承継においても「スポンサーシップ」や「シャドウイング」の考え方は活かせるはずだ。
一度挑戦してみてはいかがだろう。