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短期的に騰がる株、長期的に騰がる株

短期的に騰がる株、長期的に騰がる株

●今年も第一四半期を経過したが、この3ヶ月間で最も株価が上昇した会社はどこかご存知だろうか?

正解は「INCLUSIVE」(インクルーシブ)。
東証マザーズ上場、企業コード7078だ。
Webメディア支援の会社だが、今年に入って株価が900円から7200円へと8倍になった。

●上昇理由は、2月15日のIRだ。

堀江貴文氏を引受人とする第三者割当増資を発表したのだ。
その資金によって堀江氏が経営するメルマガ運営会社を買収すると報じられた。
INCLUSIVEの藤田社長は、元ライブドアの社員。
堀江氏の部下だった人だ。
今回は堀江氏側から金は出すからオレのメルマガ会社を買収しなさい、と持ちかけたというウワサだが真相は不明。
ただ、このことによって堀江氏が10数年ぶりに東証の表舞台に出てくるのではないかとの思惑で上昇した。

●このような「思惑」だとか「裏情報」などによって上昇する株価は、企業の実態価値とは無関係の値動きをする。
我々一般投資家は静観すべきである。
投資先の会社が社会に必要な製品やサービスを提供し、利益をあげ、企業価値が高まることを確認する前に投資してはマネーゲームに巻き込まれ、痛い目にあう。

●ほかにも、今年に入って株価が2倍以上になった会社を調べてみたら19社あった。
そして、株価上昇理由も調べた。
以下、会社名、事業内容、昨日時点の株価上昇率、上昇理由の順に記載する。

1. INCLUSIVE Webメディア 606.1%
堀江貴文氏を引受人とする第三者割当増資発表で思惑化

2. 平賀 販売促進関連  243.6%
業績上方修正発表、3/25 自社株買い発表

3. シンバイオ製薬 医薬品開発・販売 202.3%
初の営業黒字化

4. リミックスポイント 暗号資産交換所 200.0%
赤字続くも赤字幅縮小。第三者割当増資で資金難遠のく

5. CAICA 金融機関向けSI 193.8%
赤字縮小とCAICAコインの上場

6. ミズホメディー 体外検査用医薬品 157.4%
業績V時回復で3期ぶりの最高益更新

7. マネックスグループ ネット証券 155.8%
業績好調。子会社にコインチェック、仮想通貨上昇で連想買い

8. ユー・エム・シー・エレクトロニクス 電子機器製造 146.7%
黒字回復、経営危機乗りこえる

9. 築地魚市場 水産卸 143.6% 赤字予想が一転黒字に

10. ダイヤモンドエレクトリックHD 自動車点火コイル 142.7%
赤字縮小、第三者割当増資で資金不安解消

11. テックポイント・インク 半導体関連 135.1% 業績回復

12. 大阪油化工業 受託蒸留 134.6% サプライズ好決算発表

13. 日本エマージェンシーアシスタンス 医療アシスタント 133.5%
業績不安定ながら、今期、厚労省から大型案件受注

14. ジオマテック 成膜加工の専業 132.3% 赤字縮小を好感

15. 船井電機 AV家電中堅 124.4% TOBされ非上場化

16. アルー 人材育成研修 121.0% 二期ぶり最高益で復配

17. イグニス 婚活サイト 105.2% MBOで上場廃止

18. 旭化学工業 工業用樹脂 104.3% サプライズ好決算を発表

19. テセック 半導体関連 100.0%  赤字幅縮小を発表

●こうして見てくると、短期的に騰がる株には幾つかの共通点がある。

1.業績回復(赤字から黒字転換、赤字幅が縮小、サプライズ好決算)
2.株価刺激策(自社株買いや株式分割の発表)
3.資金調達(第三者割当増資などで資金不安を払拭)
4.個別材料(大株主変更、新製品好調、国から大型案件受注など

長い間、株式市場において人気が離散し、休養充分な銘柄ほどこうした材料に敏感に反応する。
さらには資本金や時価総額が小さい会社ほど株価上昇率が大きい。

●以上が短期的に騰がる株の特長だが、長期的に騰がる株はどうなのか。
今度は過去五年間で株価が10倍以上になった銘柄の数と、上昇理由を調べてみた。
明日、くわしくお届けする。