Rewrite:2014年3月26日(水)
ある飲み会でのこと。
「社長の仕事と社員の仕事との違いは何だろうか?社長の存在価値って何だろう?」という話題になった。
A氏は「最終決定権者が社長という立場。なので権限はなるべく委譲しないほうが社長らしくいられるよ」と笑う。B氏はそれを聞いて「いや、それじゃ人は育たない。人を育てるのが社長の存在価値だろう。そのためには権限を委譲すべきだ」
どちらも悪くないが、私の考える社長の存在価値とは、社長しか出来ない仕事をすることであると認識している。たとえば、
1.事業の選択とビジネスモデルの決定(事業戦略)
2.雇用政策と要員管理(人事政策)
3.金融機関の選択と関係構築(金融政策や資本政策)
4.取引先や外部協力者などとの関係構築(パートナー政策)
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などの仕事がある。そしてこれら、社長固有の仕事は「戦略」とか、「政策」などの語尾がつく。
英語でいえば、「What(なにを)」と「Why(なぜ)」を決めるのが社長の仕事だ。一方、「How(どのように)」を決めるのが社員の仕事である。
「どのような事業を選択するか、それはなぜか」という問いかけを定期的に行う作業が経営計画書づくりの主題である。にもかかわらず、「いかに売るか」「いかにうまく管理するか」といった「How」だけを論ずる経営計画書が多い。
例えば、
営業力強化の方針
コストダウンに関する方針
内部管理に関する方針
社員教育に関する方針
などの項目が列挙された計画書だ。その背景には、今の事業を継続することが当然とされているようだが、それで良いのだろうか。今の事業分野で、今のビジネスモデルではどんなに社員ががんばっても成果は乏しいというケースも少なくないのだ。