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なくならない「詐欺メール」

●今月、九州の大学で珍事がおきた。
勤務中にパソコンでアダルトサイトを閲覧し、サイトの画像を印刷したとして職員が懲戒処分されたのだ。
処分を受けたのは、大学事務局の60代の男性。
アダルト画像をA4サイズの紙で73枚印刷しているのを隣席の同僚が発見した。
追及された職員は「偶然アダルトサイトにつながり一度は閉じたが、もう一度見たいという欲求が高まった。成果物として残すために印刷した」などと話している。
大学側は業務に関係のないサイトの閲覧を制限するソフトを導入するなど再発防止を図るとしている。

●必死に言い訳する男性職員を救ってやれなかったのだろうか、と思う。
隣席の同僚も大人げない。
だが、日ごろからこうした行為を繰りかえしていた常習者なら話は別だ。
業務に関係のないサイト閲覧を禁止する「フィルタリングソフト」は、年額数千円程度で利用できるので、こうした懸念がある組織にとっては社員を守るためにも必須の対策といえる。

●アダルトといえば、私もアカウントが乗っ取られたことが二度ある。
ひとつはFacebookアカウントを乗っ取られれ、ムダな広告費を使わされた。
もうひとつはDMMで、大量のアダルト動画をダウンロード購入された。
いずれもその日に発見し、すぐに連絡したのでカード支払いはストップできたが、アカウント狙いは今なお後をたたない。
それ以降、私は専用のパスワード管理アプリを使いはじめ、脇を固めている。

●数年前のある日はこんなメールを受け取った。
・・・
武沢信行殿
違法動画の購入者リストにあなたの氏名がありました。
遺憾ではありますが、今後あなたの勤務先周辺で身辺捜査を開始するほか、強制執行の措置に入る予定があります。
その前に和解したい場合は今すぐこちらに電話してください。03-××××-△△△△

あなたの氏名:武沢信行
あなたの電話番号:(090-○○○○-○○○○)
・・・

●この業者はどこかの名簿を買ったのだろうか。
私の携帯番号は合っていた。
そのまま放置しておいたところ、数日後、私の携帯の電話がなった
いかにも事務的な冷たい男性の声で、メールと同じメッセージを私に伝えた。
和解金を振り込まないと捜査と強制執行に移る、というのだ。
いったい何を捜査し、何を執行しようというのか?

「なに言ってるの君、こっちは忙しいんだ。捜査なり何なり、お好きにどうぞ」と言って切った。

●一般的なアダルト動画であれば、購入し閲覧するだけであれば罪に問われることはない。
罪に問われるケースとしては、無修正のものを販売目的で大量所有している場合と、児童ポルノに該当する作品をもっている場合。
それ以外であれば堂々としていればよい。

●アダルトを見た・買った、という後ろめたい人間心理を衝いた悪徳商法にはくれぐれもご注意いただきたい。
電話してきた業者はもちろん、脅して金を取るのが目的で、捜査や執行などできるわけがない
こうした行為は日本だけでなく、世界中であるようだ。

「アダルト動画見ているところを撮影した。1400ドル(15万円)払わないとお前の動画を公開する」とメールで脅迫された86歳のアメリカ人女性がいる。

●この女性のすごいところはメールを見た瞬間に、自分の個人情報がどこで漏れたかをすぐに見やぶったところ。
彼女は日ごろから登録するサービスごとにアカウント名やパスワードを変えていたのだ。

脅しメールにもあわてることなく、「アダルト動画の趣味がいいって褒められたわ」と友人にジョークがいえるほどの余裕があった。
日本の高齢者もかくあっていただきたいものだ。

★脅された86歳のアメリカ人女性
→ https://www.gizmodo.jp/2019/08/86-year-old-lady-got-scam.html#cxrecs_s