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生産性を下げるには報酬を与えること

一気に寒くなり始めたが、Amazonでは早くも「クリスマスギフト
2019」のホームページがオープンしている。クリスマスセールが年々
長くなっていくが、気分はもう年末。今年もいろんなことがあった
長年遠ざかっていたネットワークビジネスの勧誘を今年は二度も受
たのはなぜだろう。

「このビジネスの最高の魅力は今からお話しする報酬プランです
このプランを聞けば武沢さんはきっと胸躍るはずです」と自信満々
相手。「たった二人のメンバーを作るだけで半永久的に武沢さんの
行口座に権利収入が振り込まれ続けるのです。金額を聞いて驚かな
でくださいよ。なんと武沢グループの総売上の○パーセントが…」

比較的最近のできごとである。
相手に配慮して「へえ、すごいですね」などと興味のあるフリをし
いたときがある。可能性があると思わせてしまい、何度も連絡をも
うはめになった。今年はキッパリと断ることにした。
「興味がありません。そのビジネスは立派なものだと思いますが、
は自分の仕事に夢中ですし手一杯です。別のことを始める気はあり
せんのでご理解ください」

調べてみたら、ネットワークビジネスそのものが長期低落傾向に
る。今後の展望も決して明るいとは言えない。それはなぜかを考え
みるに、ひとつは、すでに手垢がついて偏見の目で見られるビジネ
になってしまったこと。もうひとつは、報酬のモティベーションが
代人には機能しなくなっていることが考えられる。

「武沢さん、この魅力的な報酬プランを聞いて驚かないでください。
毎月7桁から8桁の収入を取っている人が何人もいるんです」
そう言われてもピンと来ない。
空腹のロバなら鼻先のニンジンを追いかけて走るが、満腹のときに
横になりたいだけだ。むしろ鼻先のニンジンが煩わしくなる。

「報酬プランの魅力」を懸命にアピールするネットワークビジネ
が多いが、そこが時代を捉えきれていない点だろう。今後、ネット
ークビジネスで成功する会社が出るとするなら、「報酬」ではなく
「自主性」とか「成長」とか「目的」などの訴求によって会員をモ
ィベートしているだろう。
たとえば理念共有型ネットワークビジネス、One-Team型役割分担ネッ
トワークビジネス、志実現支援型ネットワークビジネスなどだ。

10年前、TEDトークでダニエル・ピンク氏が「やる気に関する驚きの
科学」と題するスピーチをした。
それによれば、報酬のモティベーションが機能する仕事と機能しな
仕事がある。また、頭脳労働者にとっては報酬のモティベーション
あることでかえって生産性が落ちることも証明された。

「報酬のモティベーション」が有効ではないのではない。
「報酬のモティベーション」が弊害を生むことが分かってきたのだ

金銭的報酬をインセンティブにしているネットワークビジネスは
栄しないだろう。
企業も同様である。いつまでも古い概念を持ち続け、報酬のモティ
ーション頼みの経営になってはいないだろうか。
目的の共有、自主性の尊重、成長の支援といった今の人々が大切に
ているものが手に入れられる仕組みにしていこう。

★TEDトーク「やる気に関する驚きの科学」(ダニエル・ピンク
→ https://www.ted.com/talks/dan_pink_on_motivation?language=ja