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紙幣を燃やすパフォーマンス

来年でメルマガ発行20年になる。上場会社をつくられた読者が何人
もいるし、10代から読み始めてもうすぐ40になるという読者とお会い
したこともある。そんなとき歴史を感じる。
還暦のころに「がんばれ!社長」を読み始め、間もなく80になるとい
う方から最近メールをいただいた。人生の貴重な一部分を共に歩ん
いる気がして感慨深い。

「もう引退するのでメルマガ購読をやめます。ありがとうござい
した」と解除の知らせを受けたことが何度かある。
そんなときは寂しい。
「引退しても読んでください」と言いたい気持ちをおさえて、「長
間読んでくださってありがとうございました。これからもお幸せに!」
と御礼のメールをお返ししている。

セミナーやイベントも長くやっているといろんなことが起きる。
裁判で争っている社長同士がたまたまセミナーで鉢合わせし、休憩
に二人とも帰ってしまわれたことがある。
また、イベントゲストに招いたあるコンサルタントが翌週、詐欺容
で逮捕されたことをテレビで知ったこともある。

あるとき、メルマガ読者を100人ほど集めてゲーム大会を開いた。
普段アメリカで活躍されている日本人女性を講師に招いて開催した
だが、そこで珍事が起きた。

「皆さん、お金から解放されましょう。もっと自由になりましょう
と、手にしていた1000円札を我々の目の前で燃やしてしまったのだ。

アッと息を飲む聴衆。私もすぐ近くでそれを見ていた。
最初はマジックかと思ったが、本当に千円札が燃え尽きてしまった
幸いにもその日のゲーム大会は盛り上がり、彼女にはとても感謝し
いるが、私はずっとその行為が気になっていた。

『君は1万円札を破れるか?』(苫米地 英人)という本がある。
自分の1万円を破る研修会まであるそうだから、紙幣を破ったり燃やし
たりするのは違法ではないようだ。もちろん、他人の紙幣を破った
したら違法だが、自分のものなら許されるらしい。
ちなみに、硬貨は変形させたり溶かしたりしたら違法である。紙幣
許されるて、硬貨は許されないというのは時代錯誤の法律ではなか
うか。

たとえ合法といえども、紙幣を燃やすことに私は反対だ。紙幣で
ろうが、硬貨であろうが天下の回り物である。

鎌倉時代に青砥藤綱(あおと ふじつな)という人がいた。
滑川(なめりがわ)という川に、十文銭を落とした時、彼はそれを
すためにわざわざたいまつを買い、更には五十文使って銭を拾わせ
こう言った。

『たとえ十文の銭であっても、探さなければ天下の貨幣は永久に失
れてしまう。拾いあげた十文銭は手元にあるし、たいまつを買った
十文も商人の手から次々と流通して世の中で役立っている。合わせ
六十文の銭はなんの損失もない。これが天下の利益というものだ』
これが公益のこころである。自分の紙幣は自分のものというのは私
のこころだと思う。千円札を燃やした講師に私は青砥藤綱の話をした。
すると彼女は悪びれることなく素直に私の考えを支持してくれた。

先日大阪で「質問型営業」の青木毅さんのイベントに参加した。
この時にもちょっとしたハプニングが起きた。

<続きはあした>