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富のソフトウエア

日本の税制のなかでは、欧米型の大資産家が育ちにくいそうだ。それでもあえて、日本初の資産家向け専門紙「エルリコ」を創刊しようとされている伊勢新聞社の小林社長に話を伺った。同社は三重県最大の県紙であるだけでなく、同一題字の新聞としては日本でもっとも長い歴史をもつ新聞社である。

小林:「世界の主要な新聞社のオーナーは、ほぼ例外なく大資産家だが、そうした方々とお会いしていて気づいたことがある。それは、金持ちと貧乏人とを分ける決定的理由なのですが、武沢さんはそれが何だか分かりますか?」

武沢:「さあ、なんでしょう。」

小林:「ソフトウエアなんです。インテリジェンスと言ってもよい。仮に貧乏人が5千万円の宝くじに当たったとしましょう。その貧乏人はどうするか、答えは決まっているんです。貯金するか借金を返すか、家を買うかのいずれかなんです。そのどれを選んでも、結局は貧乏人のままの生活をおくり続けることになるんです。」

武沢:「ドキッとしますね。そんなことを言われると。」

小林:「いや、それが現実なんです。つまり、貧乏人が『あと幾らの収入があれば・・・』とか、『銀行が貸してくれないから・・・』など言いますが、そうした当面のお金の有る無しの問題ではないのですよ。まず資産家になるためのソフトウエアを持たねば。」

武沢:「それはどのようなソフトなのですか?また、どうすればインストール可能なのでしょうか?」

小林:「いろいろありますが、一つだけ申し上げましょう。それは、職業常識のようなもので、とくに日本では封建時代からの職業感がまだまだ根強く残っている。職人型意識のようなもので、好きな仕事に純粋に打ち込んでいれば、やがてお天道様が酬いを下さるというようなものだ。
また、不労所得を親のかたきのように敵視するところにも問題がある。近代資本主義のルールと日本の税制のなかでは、そうした職業意識だけでは成功できないことを知る必要がある。『エルリコ』を創刊しようと思ったのは、貧乏人を救済するためではなく、資産家がもっと資産家らしくなってもらうための新聞がなかったからだ。」

歯に衣を着せぬ表現で少し抵抗はあるものの、的を得た指摘だろう。そんなことがあっての昨日(7/29)の日曜日、「金持ち父さん~」のキャッシュフローゲームに参加した。ロバートキヨサキ氏によって開発されたこのゲームは一見するとモノポリーやバンカースなどのボードゲームに似ている。

事実、サイコロをふってカードをめくって意思決定していくあたりは市販のゲームそのものだ。
だが、決定的に違うのは、ラット(ねずみ)レースとファーストレースの2本立てになっている点だ。
まず最初の目標はラットレースを飛び出すことにある。その条件は、毎月の必要経費を上回る金額の不労所得を得ることだ。
不労所得とは何か、それは利子・配当・不動産所得にビジネスでのキャピタルゲイン(投資した会社の株の値上がり益)だ。

そうした不労所得の合計があなたの毎月の必要経費を上回らなければラットレースを抜け出せない。ラットレースにいるうちは、毎月の給料をコツコツ貯めて、投資のチャンスをじっと待つことになる。

ゲーム終了後に講師の石丸さんがふり返りのレクチャー。ゲームの中味を反省するだけでなく、ゲームに参加したあなた自身の器についても話が及んだ。企業経営者にとっても、会社の利益と経営者の器とが密接に関連しているはずだ。機会があればそうしたテーマについてもとりあげてみたい。

あっ、そうそう私はせっかく高収入のパイロットになれたのに、ラットレースにとどまり続けた。私にも富のソフトウエアが必要だ。