コンサルティングを仕事にしてかれこれ四半世紀になるが、
仮の会社名を T 設計事務所(T 社長)とする。
同社は顧客向けに「情熱通信」
既定路線ではあったが、
装丁は B4サイズの上質紙を二つ折りにしたもので、見開きの右側が創業社長の顔、左側が新社長の顔。かなり大写しされている。
鼻から口元にかけて瓜二つである。
新社長の顔の横には「新社長始動。」の文字。
新しい T設計の顔になれるよう全力を尽くします、と初々しい決意が述べられていた。
私が驚いたのは右側のページ。
70歳で社長を退任する創業社長の顔の横にデカデカと「
「再挑戦?なにか新しい事業でも始められるのか」と思いきや、
・・・
30歳で T 設計を立ち上げて40年。このたび私、T は社長職を辞任し、本来の建築業務に専念することを決意いたしました。
70歳にして現場復帰!
会社が若返りを図る時期に来たからこそ実現可能になった私の長年
会社経営は新社長に委ねることになりますが、
(後略)
・・・
名前の下に新しい役職があった。
「株式会社T設計事務所 取締役設計本部長」
社長を辞任し、現場復帰する。
なんとも夢を感じる世代交代ではないだろうか。
紙面の裏側には、
この世代交代によって T 社は前より良くなる、と読み手に思わせるのに成功した。