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5月病・6月病を軽視しない

4月某日、千葉の幕張で経営計画合宿を開催した。
いつも利用している都内の会場が改装工事でお休み中。
都内の他のホテルや研修施設に連絡するも、どこも新入社員研修で一杯だという。
幸い、幕張まで足を伸ばして開催にこぎつけた次第。

到着した会場にはジャージ姿の若者の一団がいた。
男女比は半々。
自販機が並ぶ談話室で、彼らが休憩しているところへ私がお茶を買いにいった。
すると、全員が立ち上がって「こんにちは」と気持ちいいあいさつをしてくれた。
笑顔もさわやかだ。

驚いた私は「新人研修で来られたの?」と聞いてみた。
「はい、そうです」と一番前の男性。
「いつから研修に来てるの?」
「4月1日からです。今月いっぱい、ここで合宿です」と後ろの女性。

全員よく鍛えられているので会社名が気になった。
「有名な会社ですか?」と私。
「○○のマークでおなじみの会社です」
「あ、有名な旅行会社だね」
「よくご存じですね。ありがとうございます」
「がんばってください」
「はい、がんばります」
声が揃っていた。

この旅行社では、一ヶ月に及ぶ合宿を行っている。
大手の銀行などでもそれくらいの研修を行っている。
企業ではいま、5月病対策もあって新人研修の長期化が進んでいるのだ。

5月病とは、GW の連休明けに出社したくなくなる精神的な病で、正式病名ではない。
日本特有のもので、症状は「○○ロス」「××ブルー」を一段と重くしたものらしい。
先の旅行社のように一ヶ月も合宿すれば、5月は落ち込むどころか、やる気満々で配属先勤務が始まったばかりのはず。

だが最近では、「5月病」よりも「6月病」の対策が必要になっている。
研修の長期化などで、発病が一ヶ月ずれこんできたわけだ。
「失恋と同じで時間が解決する」と軽視する経営者もいるが、放置したためにうつ病になったり、そのまま退社してしまったりするケースが珍しくない。
特にまじめで勤勉な社員ほど「5月病」「6月病」になることが多いので、安易にとらえないほうがよいだろう。

生兵法は怪我のもと。
気になる方は「5月病対策」「6月病対策」を検索し、対策を講じてほしい。