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続・使いにくい社員

Rewrite:2014年3月22日(土)

「才能ある部下が遅刻の常習犯。あなたならどうするか?」という質問をしたところ、何通かのメールを頂戴した。代表的な意見をいくつかご紹介したい。

◇服務規程や就業規則に違反する社員は、規定にそって罰することが組織の秩序維持に欠かせない。(広島県 Kさん)
◇遅れたら、その分よぶんに働いてもらえば結構です。(長崎県 Yさん)
◇時間を守れないのは時間にルーズな証拠。ましてや常習犯なら解雇したい。(宮城県 Eさん)
◇才能重視で考えるのなら、フレックスタイム制を検討すべきでは。(愛知県 Eさん)

どの回答ももっともな意見である。しかし、これらの回答はいずれも二番目に考えるべきことであり、その前にやるべきことがあるのではないか。

「才能ある部下が遅刻の常習犯。あなたならどうするか?」という問いに対してギャロップ調査に回答したすぐれたマネージャーたちは、異口同音にこう回答した。

「まず理由を聞きます」

この答えはマネージャーと部下との関係を明確にあらわしている。それは、甘やかすという意味でなく、上司と部下との特別な関係の重要さである。規則や規定で当てはめようとしない。日本人は秩序を重んじるので次のように考える。

◇誰であろうと規則やルールを守らなければならない。従ってルールを守れない人間は業績に関係なくペナルティを課さねばならない。
◇遅刻は本人の怠慢によるもので、理由のいかんを問わず許すわけにはいかない。
◇社員は平等に扱うべきであって、個人ごとに異なる対応をしていては組織が維持できない。

それでもまず、理由を聞くのが先決だ。

奥さんの健康問題かも知れない、バスの運行事情かも知れない、本人の体調の問題もあろう。二次的な対策を講じる前に、「まず理由を聞く」ということが優れたマネージャーの基本姿勢である。

さらには、部下がもつ強みを存分に活かしてやり、弱みを目立たさなくする工夫も大切だ。欠点を是正させる教育指導ではなく、欠点だらけの人間が集まってすごいことをなし遂げるチームを作ろう。そうした柔軟さこそ大手企業が真似したくてもできない競争の武器になる。