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「茶目」とはなにか

年に何度か、仕事にからめて歴史や文化にちなんだ小旅行を行っている。今年は2月の「雪灯籠祭り」(山形県)と10月の「札幌・小樽・余市」に行った。来年は久しぶりに長岡市(新潟県)に行こうと思っている。

長岡といえば全国的にみて「長岡花火」が有名だが、私のお目当ては「河井継之助記念館」と「山本五十六記念館」である。
「一将一友を失いしを惜しむのときにあらず。ただ、この人去って、再びこの人なし」と山本の死後、周囲に惜しまれた。
親友でもあった米内光政大将は、山本の性格を「茶目」と表現した。

「茶目」「お茶目」とはなにか。
茶目の語源は諸説あって、定説はない。だが、明治のはじめ頃、新聞の連載漫画に「茶目」という名のイタズラ小僧が登場して人気になったことがあるという。おそらくそこから「茶目」がいたずらっ子やユーモアのある人の代名詞になっていったのではないか。

お茶目といえば、マンダラの松村 寧雄先生もお茶目な方だった。
ビール党だった松村先生はある日の席でビールがかなり進まれた。話題がスポーツになったとき、突如先生はラグビーの批判を始めた。
興がのると、先生の声は普段の2倍になる。

「ラグビーはけしからん。サッカーと違って手を使ってボールを運ぶなんて許せんね。あの競技のどこがいいんだろう」

斜め横の男性が最近まで社会人ラグビーの選手であったことから、それを知っている人が懸命にフォローするが、先生の舌鋒は鋭くなるばかり。座が凍っていった。

先生が一息ついたとき、横にいた奥様がそっとその事実を伝えると、先生は「いけない」という表情を一瞬みせたのち、
「ラグビーはいいね。あれが一番男らしい」と盛んにラグビーを持ち上げだした。周囲は一転して大笑いし、空気がなごんだ。
こうした芸当ができる人が「茶目」の条件なのだろう。

経営者にも「茶目」が要りそうだ。