ドイツ・フランス・スペインなどの欧州諸国では、輸出総額に占める中小企業の割合が20%前後あるという。一方、日本のそれは3.7%という残念な数字になっている。中小企業庁の調べでは2014年に直接輸出を行った中小の製造業は6,553社あり、増加傾向にあるとはいうものの、比率はとても小さい。言語の壁や、貿易実務の人材が不足していることなどが理由にあげられている。
(記事のソース:今朝の「日本経済新聞」)
戦後の日本経済は大企業が輸出で稼ぎ、中小企業は大企業の系列に属して国内で製造に専念することで成長できる時代が長く続いた。
だがバブル崩壊以降は、大企業自身が外国生産を開始する系列の崩壊が進み、中小企業は自立化を余儀なくされてきた。
だが輸出額に占める中小の割合が3.7%という数字を見ると、中小の海外進出がいかに難しいかを物語っている。
海外ビジネスを日常的に行っている「和僑会」のあるメンバーが面白いことを言っていた。
「海外に進出する」という言葉に問題があるのではないか、と。
東京や大阪に営業所や工場を作る場合は「進出する」といわないのになぜ海外だけ「進出」なのか。海外も日本も僕のなかではなにも変わらない。
法律と言葉が違うだけで、あとは世界中どこでも同じ。もっと気軽に日常的にビジネスする場所が海外なのに、「進出」という言葉を使うことでかえって構えてしまう、というのだ。
言葉づかいの問題はさておき、いずれ外国で仕事をしようという場合には「海外事業の売り上げを○年までに○%にする」というわかりやすい目標をつくっておこう。
いままで障害だった言葉の壁、人材不足の壁もなんとかなりそうだ。
今朝の日経トップ記事をご覧になっただろうか。
経産省の主導でこの6月に「海外展開ハイウェイ」が発足する。その初事業となるのが、Amazon と日通による中小向け貨物輸出サービス。
まず米国で食器や文房具などの販売から始まり、順次、衣類や家具、食品などに対象を広げる予定。順調にいけば、アジアや欧州にも販路を広げるというもの。
製品や技術に自信があれば、販路が海外に拡大する可能性が出てきた。
★今朝の日経トップ
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO16774600U7A520C1MM8000/
継続注視したい話題である。