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新規事業ではトップを狙え

あるセミナーのあと電気工事業を営んでいる経営者が名刺交換時にこう言われた。
「この町で、この事業一本だけでは将来の展望が開けません。どんな方法で新事業を考え、実行していけばよいのでしょうか」立ち話では済みそうもない話題である。

「本気講座」や「経営計画合宿」、「経営次進塾」などに来て下さいと申し上げた。
まず「新事業アイデアリスト」を作ることから始めるとよい。まずはアイデアの量にこだわりたい。二つや三つのアイデアでは、比較検討する余地がない。少なくとも10個や20個の新事業アイデアをひねり出すことを自分に課そう。しかも一ヶ月以内に。仲間や部下からアイデアを募ればさらに数は増える。

次にその中から「A」「B」「C」の優先順位を決めるわけだが、その前にやるべきことがある。それは、新事業の定義を決めること。
何をもって我が社の新事業と言うのか。
会社の規模によっても異なるが、たとえば「月商1000万円、粗利益率50%以上を一年以内に期待できる事業であること」などと定義する。
そういった可能性を秘めたアイデアから優先順位を決める。

時々「アイデアが何も思いつかない」という経営者がいるが、それは率直にいって不勉強以外のなにものでもないだろう。
本や雑誌、新聞、ネット情報などをチェックをしていれば世の中のトレンドはつかめるし、新事業のヒントなどごろごろ転がっていることに気づくはずだ。

優先順位を決めるにあたり、心構えとして大切なことは、既存の技術やサービスにイノベーションを起こすつもりで始めること。
つまり、お客にすごいと言わせる製品・技術・サービスでなければならない。どこかの誰かがやっているものをアレンジする程度では、最初から二番煎じではないか。他社が絶対真似できないようなオリジナルの技術や仕組みを持つようにしよう。

ドラッカーもこう言っている。
「イノベーションに成功するには、最初からトップの座を狙わなければならない。大事業を狙う必要はない。イノベーションが大事業となるか、まあまあの程度で終わるかは知りえない。だが、トップの座を狙わないかぎり、イノベーションとはなりえず、自立した事業ともなりえない」(『イノベーションと起業家精神』)

トップを狙えと言われると「いきなりトップじゃなくても、順々に拡大していけばよいのでは」という人もいる。それも堅実な発想だが、成功する事業の多くは2~3年で業界トップまたは地域一番になるものが多い。10年以上かけてようやく地域の中堅を目指すようなスピード感(緊張感)では、それ以下の存在にしかなれないだろう。

ギタリストのチャーが言うように、「プロになる人は2年でプロの腕前にならなければならない。10年以上かけてプロ並みの腕になる人もいるが、それではプロにはなれない」である。