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「努力」とはなにか

「今日の言葉」で本田さんは、努力は結果に結びついたときのみに認められる、と訴え、結果がでなければ努力という名を借りた徒労、もしくは道楽に終わると言い切っておられます。

本当にそうでしょうか?

それに近いことを主張しているのが『努力不要論』の中野信子氏で、努力することの価値を盲目的に信じるのでなく、冷静になって、努力することの意味や目的を吟味しなさい、と説きます。

本田さんと中野さんの努力論はある意味とてもクールで、企業の中間管理職以上の人たちに役立ちそうです。

最近、ある企業から社内報をお送りいただきました。A4サイズ8ページもので隔月発行しているそうです。とても読み応えのある社内報で読むのも楽しかったわけですが、その中に6人の役員による「新入社員に贈る推薦図書ベスト5」というコーナーがありました。
6人×5冊で30冊の本が推薦されていたわけです。
そこに、先の『努力不要論』(中野信子著)が含まれていました。私は「危険だなあ」と思いました。タイトルは内容を表します。
新入社員がそのコラムを見たとき、「努力は要らないんだ、結果を出すことが一番大切なんだ」と勘違いしてしまいます。

努力は過程で、成果は結果です。
努力不要論はすなわち結果重視論でもあります。いままで努力を積み重ねてきて企業の管理職になった人たちに向かって、「これからは努力よりも結果が大事だよ」と教えるのならわかります。そのためなら「努力不要論」は必要でしょう。

しかしこれから社会人になって人材として認められようとしている若者にむかって努力不要論をすすめることはミスリード以外の何ものでもありません。中野氏の本は私も読みましたが、本の主旨は「正しい努力論」です。報われる努力をすることを説いているわけで、決して努力不要を主張しているのではないのです。

本来、企業の管理職が新入社員や部下にすすめていただきたいのは『努力論』(幸田露伴、大正元年発刊)でしょう。

★努力論 (幸田露伴)→

この本が出て約100年、日本も世界も大きく変わりましたが日本人は一貫して外国に負けない努力をしてきました。今もこれからもさらに努力することが求められています。

では、正しい努力とはなにか。
露伴は「直接の努力」と「間接の努力」の二種類あると言っています。
「直接の努力」とは当面差し迫っている事柄に全力を尽くすこと。
例えば、テストで良い点を取るために一夜漬けで勉強したり、テスト問題のヤマを張るために過去の出題傾向を探るなどの努力を指します。
ビジネスでいえば、明日の会議にそなえてプレゼン資料を徹夜で仕上げるようなものです。

中には、そういった「直接の努力」ばかりの日々を送っているビジネスパースンもいますし、そういった職場を何度か目撃したこともあります。総じて言えることは「直接の努力」の連続は、やがて本人が燃え尽きてしまう傾向があるようです。

一方の「間接の努力」とは何か。

紙面が尽きたようですので、つづきは明日にします。


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