Rewrite:2014年3月27日(木)
自宅の部屋にあるカレンダーはずっと以前から『御教訓カレンダー』と決めている。とくに気に入った作品はパソコンに書きためてきた。「教訓」とは名ばかりのダジャレだが、それにしても良くできている。たとえばこんな作品がある。
・彼との別れ話は涙をこさえるのに必死だった
・初心忘れるでかならず
・背中長嶋すか? (背番号3)
・軟便でも言うよ。愛してる。
・おれ、毎年、年男なんだ (黒沢)
・彼からついにプロのポーズされたの
・チェ、ジバラ
・終電で淡谷のり子しそうになった
・上杉は検診、武田は心電図
・キミはどうしてそんなに素顔になれないんだ?
・働けど働けど我が暮らし楽にならざり、ちょっと手を見てもらう (手相)
「屈強なガードマンが私の前に立ち裸だった」などの下半身ネタも多いが、こればかりは集めても使いようがないのでメモしない。
・妻の寝顔をじっと悔いるように見つめていた
・そろそろ丁寧語の人生を考えなくては
・ものスゴイ顔ぶれですね (ピンボケ)
・5年付き合ってるけど、まだ彼の良心に会ったことがありません
・小笠原が世界遺産って、2000本安打で!?
・ここまで来て逃げるのか 秘境だぞ!!
・新宿二丁目 For Men に行ってください
・ここは一つ、先輩として昨日聞いたことを言わないとな
・子供の頃は進藤と呼ばれた(婿養子)
こんなシャレをメモっておいても何に使えるのか分からないが、とにかく貯めておけばこうしてメルマガで使える日もやってくる。
また、歴代の「サラリーマン川柳」の入賞作も気に入っている。
・「辞めてやる」 会社に「いいね」と 返される
・「課長いる?」 返ったこたえは 「いりません!」
・電話口 「何様ですか?」と 聞く新人
・わが家では 子供ポケモン パパノケモン
・昼食は 妻がセレブで 俺セルフ
・上役の 命令ファジーで 僕ビジー
・忘年会 図に乗り過ぎて 送別会
こうした風刺の効いたシャレがビジネスの現場で役に立たないものだろうか。そう思っていたら、先日、名古屋地区の報道番組でこうしたシャレに近い川柳 POP を使って商売繁盛している食品スーパーが特集されていた。そのスーパーは愛知県の勝川駅前にある「やまひこ勝川店」で、大手スーパーが駅近に出店したため売上が激減。経営陣は撤退を検討するほどの状況だったという。
そこで社員が売上向上策を次々に試していった中で副店長の家田裕子さん(入社11年目)のアイデア POP がヒットした。ふつう、POP といえば商品名と価格が載っているものだが、家田さんが書く POP はひと味もふた味も違っている。まず目をひくのが大きな写真、それに川柳。時には川柳ではなく単語のみだったり、提案メッセージだったりする。番組ではそうした彼女の POPを「コト POP」として紹介していた。
ドーンと山積みされた森永ビスケットのコーナーにある大きな POP。そこには家田さんのこんな川柳が。
「ひとふくろ 思っていつも 完食だ」 (小分けビスケット)
値段はその下に小さく載っているだけ。安さのアピールをしていないどころか、製品の魅力や食べ方の提案もしていない。おなじみの商品についてはクスッと笑わせ共感が得られれば売れていくことが多いのだろう。
他にもこんな POP が店内のあちらこちらに。
「わたしには徳用なのに一日分」(お徳用チョコ)
「今日サラダ、明日はチーズ、エブリじゃが(じゃがりこ)」
「野球よりすきになったぜ チョコバット」
「じゃがいもは 好きじゃないのに ポテチ好き」
お客の反応は、「見たことのないポップ」「おもしろいのでつい読んじゃう」「ポップを見ながら店内を回るのは楽しい」などおおむね好評。家田副店長は「ポップを楽しみに来店してもらえるお店にしたい」と豊富を語る。
人は驚きと笑いを愛するが、それを演出するツールとして POP を活用すれば、新たな来店動機を作ることができることを教えてくれたわけだ。