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変化するということについて

 ※昨日の続きは明日にして、今日は別のことを書きます。

「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である」という『種の起源』(ダーウィン)のメッセージはあらゆるところで引用されている。

「強者生存」ではなく「適者生存」であるわけだ。「適者」とは、すなわち変化することができる者をいう。巨大生物の多くは地球環境の変化に対応できずに自然淘汰されていった。

キリンは高いところの葉を食べるために長い首を持ったといわれる
首を長くすることで食物が手に入るだけでなく、周囲を見まわすことが可能になり外敵から身を守りやすくなった。そのために首を長くしたのがキリンの進化だが、抵抗や反発も大きかったはずだ。

今のキリンになる前のキリンはおそらくもっと小さな身体をしていたはずだ。あの長い首を支えるためにいまのような大きな胴体が必要になった。大きな身体を維持するために食事量も相当増えただろう。
脳まで血液を送るための心臓は何倍も強いものが必要になり、あの大きな身体を支えても骨折せず、鬱血もしない骨や脚が必要になった。
つまり、首を長くするというひとつの変化を起こすためには、たくさんの関連変化が必要になるということだ。これを生物学では「選択圧」といい、何かの変化を起こす選択をしたときに起こる自然変化のことをいう。

ちなにみキリンは600万年かけて4mの首を持つに至った。変化のスピードは一年あたりで1,000分の6ミリ。そんなに小さい変化で大丈夫なのかと思うが、自然界は意外にゆっくり変化している。しかも進んだり戻ったりをくり返す。だが、着実にひとつの方向に変化し続け、止まることはない。今日、この瞬間も人間のゴミ収集所を漁る鳥たちの嘴(くちばし)は、それにふさわしい形状と硬さに変化しているはずだし、犬や猫は人間のペット仕様に変化し続けているのである。

あなたもあなたの会社も、自然界で生き残るために、何かに向かって変化しているはずだ。外敵にやられるか自然淘汰される前に、進化の方向をつよく自覚しよう。

「経営計画書」とは変化(進化)のための青写真でもある。