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クレーム処理のルール

Rewrite:2014年3月21日(金)

小売店が1年間に失う顧客は2割くらいだと言われ、化粧品の訪問販売では3割以上の顧客が他のブランドに移る、という記事を何かで読んだことがある。その他のビジネスでも大同小異ではないだろうか。特に何らかのクレームが発生したとき、その対応いかんで顧客を失うか、あるいは、かえって信頼を増すのか分かれることがある。クレーム処理という仕事をネガティブで余分な仕事と受け止めていると対応も遅くなり、クレームが怒りに変わるのだ。

クレーム処理のルールは各社それぞれ違うだろうが、以下はその一例として参考にしていただきたい。

1.クレーム処理はすべての仕事に優先する、ということを徹底すること。顧客との信頼関係作りなくして、企業の安定はない。
2.すべてのクレームは、上司に報告させること。担当者レベルでクレーム処理を済ませ、上司や社長はそのできごとを知らない、ということがあってはならない。
3.クレームの原因になった個人を責めない。しかし、不報告の社員に対してはきびしくペナルティを科す。
4.重要なクレームに対しては、すみやかに社長自身が対処する。
5.同じクレームを2度起こした個人については、イエローカードが必要。
6.クレーム情報は職場内で共有し、再発防止につとめる。

これらのルールを作ることで、クレーム情報に関して経営者が強い関心をもっていることを示す必要がある。

私がときどきランチを食べに行く「Y」というレストランでは、アルバイト教育がほぼ最低のレベルだ。店内がどれだけ空いていようが、一人客はカウンター、しかも一番隅っこと決められている。帰りにレジで待っていても、呼ばなければ来ない。しかし、私はなぜここへ行くか?歩ける範囲で定食が食べられるのは、ここしかないからだ。つまり我慢に我慢を重ねているのだ。もしこの「Y」にアンケート箱でもあれば、建設的な意見を書くつもりだが、それもない。いずれ競合店ができたら私は真っ先にそこへいく。

顧客満足を高めるための前提条件として、顧客の不満解消のしくみが大切であり、クレーム処理に関するルール作りは欠かせない。このベースがあってこそ、積極的な意味での顧客満足活動が意味をもつようになるのだ。