40歳で税理士資格をとった所長だが、顧問先の倒産でショックを受けた。「迷惑をかけて申し訳ない」と倒産社長は責任を取って命まで絶たれた。葬儀で所長は、「二度と顧問先を倒産させない」と誓った。
そして、自身の税理士事務所を実験台にして絶対倒産しない資金重視の経営を実践することにした。奥さんの協力を得て生活を切りつめ、毎年数百万円から1,000万円ほどの増資をつづけた。
当然のことながら、自己資本比率がみるみる向上する。
都市銀行が日参する税理士事務所になった。その都市銀行は不動産融資に積極的で、都心の物件情報とセットで融資案件を持参するようになった。9年間、毎年増資を続けた実績と自信が高額な不動産購入を決断させた。
あれから30年経つ。所長の会社は金融資産数十億円、負債を差し引いた純資産はその7割ほどある。家賃収入だけで社員全員の人件費が賄える。理論上、ほぼ倒産しない会社を一代でつくりあげた。
タネ銭をつくってそれを投資する。得た利益をさらに投資にあて、複利計算で回していくと、成功が雪だるまのように大きくなる。
そうした投資戦略を最初から計画し、そのとおりに成功している人を私は何人も知っている。
関東のH 社長もその一人で、わずか数年の不動産投資キャリアながら悠々自適のライフスタイルを実現した。
三重県出身の村田幸紀さん(実名、46歳)もすごい。氏の場合は、本も出ている。トヨタ系自動車部品メーカーに勤めながらサラリーマン大家をしていたが、2004年、34歳のときプロの不動産投資家になるために会社を辞めた。
「プロの不動産投資家?」と疑問に思う方も多いだろう。株式投資ならパソコンに張りついてデイトレードする専門家もいるが、不動産投資の専門家って何をするのだろう。
実はそのとき村田さんは短期間で不動産投資に成功するための村田式ロケット戦略という投資手法を開発していた。その狙いは投資一年目から潤沢なキャッシュフローをうみだすこと。その手法の検証のためにはサラリーマンとの二足のわらじは履けない。
独立後、村田さんの不動産投資は目論見どおり倍々ゲームで規模拡大し、3年めにして総資産4億9,000万円に到達した。
「やっぱり正しかった」との確証から『不動産投資で経済的自由を手にする会』を結成。全国から不動産投資家が200名以上が集まる会になった。そして、その会から年間家賃収入が1億を超す投資家が21人育っているという。
2016年10月現在、村田さんは19棟434戸を所有し総資産26億円、年間家賃収入3億円(満室時)、銀行への返済は年間1.2億円を実現。
趣味であるトライアスロンを中心にしたライフスタイルを実現した。
だが、村田式ロケット戦略をうみだす前の大家を始めたばかりのころの村田さんは、破綻寸前まで追いこまれている。誰しもが陥りがちな表面的な計算だけで動いた結果、ババをつかまされた。そのときの苦い体験がのちの「村田式」を確かなものにする肥やしになっているという。
あすはもう少し詳しく「村田式」のすごさを書くが、早く知りたい方は村田さんの本を買って読まれるとよい。
私も将来のために読んでみたが、不動産投資に必要なことすべて(おそらく本当に「すべて」だと思う)がこの1冊に網羅されている。
それでいて専門的になりすぎず、読み物としてもおもしろい。
<あすにつづく>
『1年目から成功する不動産投資 村田式ロケット戦略のすべて』
→ http://e-comon.co.jp/pv.php?lid=4954