ビジネスモデル(以下、BMと略す)に関する問い合わせメールをいただくことがある。どの会社でも切実な問題のようだ。なかには誤解とおぼしき内容もある。「当社は先祖代々の○○業で、いま流行のBM作りとは無縁な会社で・・・」などというものだ。
BMをむずかしく考えてはいけない。今やっている会社経営そのものも、ひとつのBMなのだ。
BMとは、誰に何を売るかの仕組みのことだ。それではあまりに略した表現なので、もう少し具体的に書いてみよう。以下の項目に答えながら考えていただきたい。
◇誰に
お客、市場、業界を明確にし、そのニーズをはっきりとさせること
◇何を
商品やサービスの内容・メニューと価格を決めること
◇収益の構造
損益のひな形を決めること。例えば薄利多売なのか、高利少売なのかの路線を決めること。在庫や設備投資の負担をどうするのかによっても必要
利益は異なってくる。
◇売り方
人海戦術なのか、ネットなのか、マスコミによる広告宣伝か、アウトソーシングか、FC店を募るか、自らFCに加盟するか
◇協力関係先(コラボレーション・・・協業の仕組み)
製造・販売・管理をすべて自社でまかなうのか、協力先を求めるならどのような相手と組めば良いか
◇顧客満足
顧客満足が従来より高まるか、それをどのように測定するか
◇総合判定
・ライバル企業と比べて製品・サービス・価格の競争力は高いか
・顧客、協力企業、我社、の3者に利益をもたらすか(社会を入れて4者にしても良い)
・4つのGでチェック(マガジン9/20号参照)
http://www.e-comon.co.jp/mailmagsample.htm
日経ビジネスの10-30号によれば、同じハンバーガーショップでありながら「モスバーガー」と「フレッシュネスバーガー」の明暗をとりあげている。マクドナルドを追走し、低価格路線に走ったモスが自らの首をしめる結果となり、高価格を維持し品質と空間作りにこだわったフレッシュネスの快進撃をとりあげている。BMの違いが結果の差に表れた。
ともに「ハンバーガーショップ」でありながら、両極端の差がでるのが21世紀の経営環境だ。
流行語にようになったこのBMという表現、実は昔から日本語が存在する。「業態」のことだ。業態についてはマガジン9/3号で述べた通りだが、顧客にとっての利便性や付加価値向上から仕事の仕組みを再編することが重要だ。さらに大切にしたいのは、あなたの会社がその強みに集中できることだ。技術に特長がある会社は技術に、営業に力がある会社は営業にその力を集中することを考えるのだ。