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最後に残ったものが「利益」?

Rewrite:2014年3月21日(金)

中小企業の多くが社会的に弱者であった時代は終わった。スモールゆえの機動力や柔軟性を武器に成長すべきである。成長とはなにか、成長のためには何が必要か。

70年代から80年代にかけて、学者やコンサルタントは「量が質に転化する」と言い続けた。つまり大量に売れば仕入れコストがさがり、利益率が向上するという論理である。従って、大企業になることが強者への王道であり、企業はこぞって規模の拡大に走った。しかし、もはや規模重視の会社にお目にかかることはない。かつての売上指向の会社はいま、なにを重視する会社になったのか?

それは、「利益」であり、「キャッシュフロー(資金収支)」である。

ところが、私の知る限りにおいて、企業経営者の多くが心底、「利益」や「キャッシュフロー」を重要目標にしているとは思えない。とりあえず設定した数ある目標の一つとしか伝わってこないのはなぜか。

私がもし「利益を第一目標におきましょう」と言おうものなら、中小企業経営者の半分かそれ以上は抵抗するだろう。利益よりも大切なものがある、と。
そうした経営者は、利益は第二か第三、第四ぐらいの目標に過ぎないと思っている。したがって経営会議や幹部会議で利益がテーマになることはほとんどない。利益とは、最後に残ったものであるかのようだ。

しかし、一部の好成績企業にとって利益とは、まっさきに必要なものである。その利益でもって何かに投資し拡大再生産をはかるものである。新たな資金調達も利益があってこそ可能だ。顧客へのより良いサービスも、従業員の雇用増大や暮らしの向上も、すべて利益がその源泉であることを忘れてはいけない。