昨日のつづき。
ー赤字が続いていて、年商の2倍の借金がある。常識的にみたら完全に「アウト」ですね。その状態から見事に再生されたそうですが、どんな手を打たれたのですか?
ー決算書を拝見してすぐに「再生は可能ですよ」と申しあげました。
なぜなら借金は保有不動産に見合ったものでしたし、メインの文化教室事業は収益が出ていたからです。すぐに「現場を見せて下さい」
とお願いし、翌週、木村社長に会社やお店をご案内いただいたわけです。文化教室を行っているビルが相当老朽化しているのをみて驚きましたがね。
ーそのビルでも利益が出ているというのがすごいですね
ーそうでしょ、そこに可能性を感じましたね。「社長、別の場所にビルを建てて新店をオープンしませんか」と申しあげました。
「そんなことできるのですか?」とビックリしておられたのですが、
「それこそ私の長年の夢でした」とものすごく張り切って下さり、木村社長にとっての再生のビジョンができたわけです。
ービジョンは人を動かしますからね。その後、具体的に何をされましたか?
ー手短に言うなら、利益が出ていない家具事業部を同業他社に事業譲渡しました。また、売れ残りの家具在庫や、投機用に所有していた不動産など換金できるものはすべて処分し資金量を増やしました。
次いで、新店(新ビル)建設計画とその後の収益計画づくりに着手し、銀行の協力を得て新店資金を調達できたのです。
ー貸さないと言っていた銀行がよく貸してくれましたね
ー会社を再生させるためにやっているのだから、ぜひ協力してほしいと頼みこんでも、最初、銀行は保守的な態度を変えませんでしたね。
ー銀行も再生の失敗事例をたくさん見聞きしているからでしょうか
ー自分たちまで巻き添えになるのがこわいわけですから、当然、慎重になるのも分かります。しかし、銀行もビジネスですから、利益になることがわかればすすんで協力してくれます。銀行が協力したくなる、協力せざるを得ないプランにすれば良いわけで、当方のウリはそのノウハウに精通していることでしょうね。
ー化膿した出来物を自分で外科手術できないように、会社の不要なものを外科手術し、健全なものだけにして健康体を取りもどすわけですね
ーそういうことです。問題を起こした当事者だけが集まってその問題を解決できるということは稀です。我々のような第三者を使うことで大胆かつスピーディな再生が可能になるのだと思います。
ー木村社長は喜ばれたでしょう?
ーそれはもう。新店は大成功し、収益性が一気に高まりました。新店オープンの半年後、木村社長の長女が結婚されました。もしあの時、会社が倒産・破産でもしていたらと思うと本当によかったです。
ー「タワーリングインフェルノ型」の意味が分かったような気がします。
ーありがとうございます。私自身、ギフトショップの経営につまずいたときには本当に悩み、苦しみました。あの孤独な苦しみを味わってほしくない。あの状況まで追いこまれていた私のギフトショップでも再生できたということが、日本中の会社が救えるという私の信念になっています。事業再生は人の健康と一緒です。早期発見・早期治療が一番なのです。少しでも困ったらすぐにご相談ください。
ー最後に、喜望大地さんの相談料やコンサル料などをお聞かせください
ー私の信条として、すべて明朗会計にしてあります。相談料から契約金、顧問料などホームページに明記してありますので安心してお訪ねいただきたいと思います。
★喜望大地 料金表 http://cash-sos.jp/cost.html
ー今日はありがとうございました。
「事業再生士」ときくと、スーツに身を包んだ冷たい印象のプロフェッショナルというイメージがある。しかし洲山さんと接していると、たくさんの修羅場をくぐってこられて人間の悟りにいきついたような自然な笑みが絶えない。修羅場こそ笑顔で、そんな信念が感じられる。
今も、どこかの誰かを救っておられるのだろう。