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思想を売る

私たちは、思想を売りたいものだ。

製品の品質や技術力、価格やサービスなど、売り物はいろいろある。いずれにしろ、売上原価の科目に乗るものが私たちの本質的売り物ではないことは確かだ。究極の売上原価は「思想」である。

冒頭にもご紹介したように、事業とは顧客創造活動である。新しいお客を増やし、古いお客を大切にする。それが適切に行われないと、顧客は自然と減少してゆくものだ。

だからといって、年がら年中バーゲンセールやプレゼント企画などで集客していても、バーゲンハンターの餌食になるだけでは意味がない。定番製品をこちらの言い値で、喜んで買って下さる常連客づくりが欠かせないのだ。それにはどうするか。

広島本社の株式会社ハーストーリー、日野佳恵子社長が書いた本、『クチコミュニティ・マーケティング』(朝日新聞社刊)のなかに興味深い統計が紹介されている。あなたの好きなものがどれくらいの期間で飽きがくるか、という全国3,000人に対するアンケート調査だ。それによれば、

好きな政治家・・1位:半年未満(56.8%)
2位:半年以上1年未満(23.9%)
携帯電話・・1位:半年以上1年未満(36.2%)
2位:半年未満(25.2%)
洋服のブランド・・1位:1年以上3年未満(36.0%)
2位:5年以上(23.7%)
缶コーヒー・・1位:半年未満(42.2%)
2位:半年以上1年未満(22.5%)
美容院・・1位:1年以上3年未満(28.8%)
2位:5年以上(24.4%)
ビール・・1位:半年未満(33.4%)
2位:半年以上1年未満(18.9%)
思想・・1位:5年以上(50.4%)
ポリシー・・1位:5年以上(64.4%)

とある。

大ざっぱに言えば、目に見えるものは一年以内で飽きられ、ブランドになれば3年以上持続し、思想・ポリシーになれば5年以上続く、ということか。

お客があなたの会社から買っているものは何だろうか。逆から言えば、あなたはお客に何を売っているのか。機能か、価格か、デザインか、技術か、接客か、アフターか・・・。大切なのは、それらすべてを総合した「感動」であり、それがお客のクチコミ原動力となっている。

クチコミがおきるほどの会社でないと毎年毎年新規の客先開拓コストがかさんでしようがない。

「あのお店、安いわよ」というクチコミは、ライバル店出現とともに「何言ってるのよ、こっちのお店のほうが安いのよ」とすぐに否定される。したがって、客を取り戻すために、更に強烈な目玉商品を確保せざるを得なくなる。お客にとっては一見好ましく思える値段競争、長期的にみれば、価格第一主義の市場競争は愚かだ。
顧客を混乱させ、かえって不信感を抱かせるばかりか、将来的には地域に同業店は一店だけになりかねない。

そうした競争ではなく、お客を感動させるほどの衝撃的なサービスを与えるのに成功したとき、そのクチコミはもう誰にも止められない。お客が買ったものは、機能や価格ではなく、あなたの会社の思想やポリシーを買っている。また、「感動した」というお客の体験は、誰にも侵害できないその人の思想やポリシーであり、この思いは、5年以上続くことになる。

私たちは、思想を売りたいものだ。

株式会社ハーストーリー http://www.herstory.co.jp/

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セミナー詳細

テーマ: 「本物のお客様に出会う!育てる!
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地図:  http://www.aogaku-kaikan.co.jp/

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お申し込みURL:http://www.etocomi.com/seminar/20030610.htm

私もこのお二人の話はうかがったことがあるが、中味のたしかさは折り紙つきだ。(武沢)