2月決算、3月決算の会社にとってはこの時期が経営計画発表会にふさわしい時期となる。昨日は名古屋の食品スーパー「ウオダイ」さんの第 61期経営計画発表会が行われた。会社名は有限会社魚代商店という。先月リリースした小説『ウオダイ物語』の主人公・加藤千博社長(60)が登壇し、方針を発表した。
加藤社長はふだんの会議では聞き役に徹することが多いが、ひとたび話し始めると神が降りてきたかのように滔々(とうとう)と、よどみなく自説を論じるタイプである。経営計画発表の壇上に立たれるのはこれが三度目だが、普段のシャイさがみじんも消えてなくなる。61期を「ルネッサンス」(復興)の一年と位置づけ、こんな挨拶で方針発表をはじめた。
「心が叫ばなければやり方は見えてこない。だからこうありたいと強くしっかり思うこと。どうやったら高収益で厚待遇の会社が実現できるのか、社長である私自身、寝ても覚めてもそのことを熱烈に思い続けています。幹部やスタッフの皆さんも「やれるのかな」とか、「そうなったらいいな」というレベルではなくて、頭の先からつま先まで目標や計画のことを思って思って思い続ける。”狂” がつくほど強く思い続けることが本計画書達成の最大の条件だと信じています」
また、加藤社長は「俺のイタリアン」をはじめいくつかの具体的な店名や会社名をあげながら固定概念を打破して市場を創造することの大切さを訴えた。
会場にはパートアルバイトを含む従業員 50名が、ほぼ全員勢揃いしていた。銀行二行、コンサルタント、社長の勉強会仲間など来賓の数は 30名に達した。数字計画も販売計画もすべて包みかくさず経営計画書に載せ配付した。自信がなくてはできない芸当である。しかもこの日、店を臨時休業した。何百万日の売上を放棄してまで必ずこの発表会は開催すると決めて三年目。
今朝、さっそく加藤社長から決意のメールが届いていた。
「お忙しい中、長時間に渡り有難うございました。今朝の朝礼では、社員の目がいつもよりキラキラしていたような気がしました。留学先から一時帰国している三男も初めて発表会に参加しました。どんなものか楽しみにしてたらしく、僕の想像以上!と驚いていました。私も会社も未熟です。本当の勝負はこれからです。素晴らしい未来に向けて今日からスタートだと気を引き締めています。御礼にかえて、加藤千博」
謙虚さのなかに加藤社長の並々ならぬ決意が感じとれる文面である。
「発表会式次第」は次のとおり
13:30 司会あいさつ、開会宣言、経営理念唱和(店長)
13:40~13:50 来賓紹介
13:50~14:30 方針発表(社長)
14:30~15:20 部門計画発表(6人の部門長)
15:20~15:30 休憩
15:30~16:30 記念講演(有限会社がんばれ社長 武澤 信行) 演題「最強のお店の四条件」
16:30~16:35 社員決意表明(精肉チーフ)
16:35~16:50 来賓あいさつ(担当税理士)
16:50~17:00 閉会宣言(サブチーフ)
閉会あいさつ、社員アンケート
17:00 終了、解散
★加藤社長が主人公の小説『ウオダイ物語』(武澤 信行著)