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続・講師と落語家

●昔、セールスの仕事をしていたとき商談がうまくいかず、売れずに困ったことがあった。先輩にチェックをしてもらったところ、商談に問題があるとわかった。いつのまにか、完全に我流の商談をやっていたのだ。そこで、成約率を上げるために、もういちど基本に立ち返ってマニュアルに忠実な商談をやろうと決めた。

●幸いその会社には「商談マニュアル」と書かれた100ページほど台本があったので、1ヶ月くらいかけてそれを完全に丸暗記することにした。
今朝おぼえたばかりのセリフをその日の商談に使えるわけで、初日から少しは効果が出たように思う。どこまで忠実にやれるか、ゲーム感覚で取り組んだ。

●受験生が英単語を覚えるような要領でマニュアルを 1ページずつ暗記し、移動中にはカセットテープに吹き込んだものを聞いて、文字と音声の両方で覚えたら、台本と一言一句同じセリフを自分の言葉のようにスラスラと言えるようになっていた。
受注成績が大幅に向上し、日本のトップテンに入った。

●昨日号は落語家のネタ覚えの話をしたが、今日はその続きを書いている。
落語家の場合、通常は師匠が弟子に稽古をつけながら口伝えで教える。
あとは本人がいつでもどこでも一人でぶつぶつ言いながらセリフを自分のものにしていく。それが仕事なのだからネタを覚えるのは当然なのだが、私は自らの体験からも、営業マンは商談トークを完全に暗記する必要があると思う。我流ではダメなのだ。

●落語家の中にはとんでもない猛者がいる。師匠や先輩が話したテープやCDをたった一度聞いただけで全部覚えてしまう天才型もいるようで、その代表が立川談春らしい。
『落語家はなぜ噺を忘れないか』(柳家花緑著)の中にこんなエピソードが紹介されている。

●ある日、談春が新ネタを覚えるために後輩の花緑を呼んだ。すまないが、今から『唖の釣』(おしのつり)というネタをやってくれ、という。花緑は談春の前でそれをやった。ジッと聞く談春。オチまでいって噺が終わると、「あ、わかった。一回やるから聞いてくれ」とその場で一気に噺を再現した。器用にアドリブやギャグまで入っていて、完全に自分のものに咀嚼していたという。
もし談春がセールスマンをやれば何でも売れる男になっていたに違いない。

●談春ほど見事な人は少ないが、それでも落語家の多くはこうした口伝えによってネタを覚えていくそうだ。
だが花緑の場合は違うようだ。彼は、師匠や先輩の噺を一言一句すべてノートに書き写し、それを覚えるタイプらしい。彼は文字派なのだ。

●例えば志ん朝のテープを聴きながら所々でストップし、「さようでございまして、おぉーん」という具合に語尾や擬音まですべて忠実に書き写す。重労働だが、それをやらないと噺が覚えられないらしい。
書き写したあと、語り手(この場合は志ん朝)になりきって、一通りそれを演じてみる。

●それを何度もくり返し、噺を自分なりにそしゃくして、自分らしく演出をする。それを一人で何度も練習し、師匠や先輩のチェックを受けてようやく高座にかけ、今度はお客のウケ具合を見る。ダメな場合はまた練り直しだ。

●そのくり返しでようやくそのネタが自分のものとして定着するが、話芸といわれるぐらいだから15分ぐらいの短いネタでも命がけでやる。
するとどんどん上達して神がかった噺ができるようになる。私たちの営業トークや講演のメッセージもそこまで研ぎ澄まされているか自問してみる必要がありそうだ。

お、もう紙面が尽きた。おあとがよろしいようだが、この話題、もう一日だけおつき合いいただきたい。

<明日につづく>

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【編集後記】

◆9月になると、来年のスケジュール決めが始まります。そうなると、一日も早く 2013年手帳が欲しくなります。マンダラ手帳 2013も、もうすぐ発売開始になるそうです。