●昨日のつづき。
第一部の小山社長(武蔵野)の記念講演だけを聴いて帰る人がいたとみえて、ホール後方で立ち聞きしていた25名のために席が確保できたらしい。
スタッフに案内された席は前から10列目の中央あたりと絶好の位置。
ようやく腰を落ち着けることができ、今からはじまる古田土会計さんの経営計画発表に集中することができそうだ。
●司会あいさつのあと、開会宣言。中堅幹部が壇上にのぼり、マイクなしでも場内に響きわたる力強い声で開会が宣言された。
その後、国歌斉唱を行うため場内にいるすべての人が起立した。伴奏にあわせてステージ中央にある国旗を見上げながら君が代を斉唱した。
国旗の横には社旗があった。
●企業は顧客や取引先、金融機関とのビジネス活動を通して日本という国につながっている。会社は社会の公器であることを実感させられる場面だったわけだが、考えてみれば、今まで一度も国旗と国歌が流れる経営計画発表会に列席したことがない。とても新鮮だった。
●「国歌斉唱」「国旗掲揚」「国を敬う」
それらを求めると露骨に嫌がる社員もいるのではないかと危惧する社長もいるが、そんなことではいけない。社長が信じているものを社員に要求できずにいったい何を社員に要求できると言うのか。
●あとになって気づいたのだが、「経営計画書」の 180ページに「国旗・国歌の基礎知識」と題し2ページにわたって説明がなされていた。
日の丸を掲げ、君が代を唱和する理由がきちんと書かれているのだ。
おそらく出典は以下のサイトと思われるが、こうした姿勢はとても大切だと思い、私も見ならってその日、国旗を買ってきた。オフィスに掲げるつもりだ。
★ ja.wikipedia.org/wiki/日本の国旗
★ ja.wikipedia.org/wiki/君が代
●別のページには「愛社精神」という項目があるのを見つけた。
「愛社精神のない社員とは一緒に働きたくない。自分の会社を愛するという考え方の人間と働く。会社は社員を守る。社員は愛社精神を持つ。愛社精神とは、愛する会社に対して献身的に尽くすという意味」
と明記してあった。創業のオーナー経営者らしい文章表現だが、二代目、三代目、四代目でもこの姿勢は見習いたい。
●これらのくだりだけをクローズアップすると、ずいぶん思想的に偏った会社のように思われるかもしれないが、そうではない。随所に社員のため、お客様のため、という愛の香りがする暖かい経営計画書になっている。緩急自在のブレンド加減が重要なのである。
●同社の経営理念はいたって明快で、こう書かれていた。
以下、引用。
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経営理念
一.中小企業経営者を育て、企業の成長・拡大と安定に貢献すること。
(1)原理・原則にのっとった正しい経営をするように導くこと。
(2)数字に強い経営者を育てること。
二.社員を育て、守ること。
(1)よい習慣を身につける。
(2)正しい思想教育をする。
(3)自分の頭で考える訓練をする。
(4)一生あなたと家族を守る。
(会社が全従業員に約束します)
人が幸せになるために会社があります。人が幸せになるとは、お金を稼ぐことでも名誉を得ることでもありません。人としての「思いやり」「熱意ある誠実さ」「素直さ」「感謝する心」「心の美しさ」などの資質を高めることです。会社は人間性を高める場所です。人間性は、苦労して初めて磨かれていくものです。よって苦労することを我々は生き甲斐とする。
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名文である。特に「2」の(4)の宣言には目が釘付けになった。
●果たしてどんな社長だろうか。年齢はお幾つぐらいなのだろう。
君が代斉唱で厳粛な空気になったところで社長が紹介され、古田土満社長が登壇した。
そこで社員や取引先からわき起こった拍手の大きさに私は驚いた。日頃から訓練されているのか、拍手の姿勢は皆、顔の前あたりで行う。
何気ないことだが、こんな細部にまで決めごとが徹底できるのはただ者ではないはず。
●相当なカリスマ社長を連想したが、演台の前に立った古田土社長の笑顔と謙虚な物腰はちょっと意外だった。社員はこれから噺家の落語を聴くような表情で社長の話を待ち受けている。
この空気から、日頃からとても良い信頼関係があるのが容易に想像できた。
●これから始まる 1時間10分の計画発表に期待がかかる。場内にいるすべての人が同じ経営計画書( 200ページもの)と諸表編(これもほぼ同じ厚み)を手にしながら聞き入ることになる。
<ふたたび明日につづく>
★古田土会計 http://www.kodato.com/