未分類

すごい経営計画

●1月12日(木)、東京都江戸川区にある「タワーホール船堀」の大ホール(650名収容)は満席で、立ち見の客が25名出ていた。
開演ぎりぎりに駆け込んだのが悪かったのか、立ち見客の一人が私だった。

●人気歌手のコンサートにも使われるこのホールは、今日に限ってスーツ姿の客ばかり。それもそのはずである。
この日行われたイベントは、ある会社の経営計画発表会だったのだ。
主催者は「古田土(こだと)公認会計士・税理士事務所」「株式会社古田土経営」で社員数は140名。

★古田土経営 → http://www.kodato.com/

●立錐の余地もないとはこのことで文字通り一席も空いていない。

650 席には古田土グループの社員のほか、銀行や顧問などの来賓、税理士として関与している顧問先の経営者や幹部も列席しているようだ。
私のような完全に部外者の人間もかなりいるはずだ。ネットや FAXで予約すれば誰もが参加できるからだ。

●受付で参加費用1万円を支払うと、大きな手提げ袋を渡してくれた。
本日の発表会に使われる 200ページにも及ぶ「経営計画書」と別冊の「諸表編」の二冊、それに引き出物の本と高級カステラ(顧問先のもの)が入っている。

●「立ち見か~!しまった。出てくるのが遅かった」やや後悔していたら、すぐに第一部の行事が始まった。
株式会社武蔵野の小山社長の記念講演で、武蔵野さんの税務顧問をしているのが古田土さんのようだ。
また、古田土さんの経営顧問をしているのが武蔵野さんという関係でもあるようだ。

●小山社長の講演をうかがうのはこれで三度目になる。
きっと同じようなお話だろうと想像していたら、迫力と凄みが加わっていた。この数年、激変する経営環境のなかでも着実に業績を伸ばしてこられたという実績がバックにあるからだろう。

●冒頭にこんな話をされた。

・・・当社(武蔵野)の経営計画発表会は日曜日に行う。休みであるにも関わらず 310名の社員が無給で集まってくれる。経費が大変でしょと言われるが、人件費や交通費はもちろん、昼食代も自腹である。
それなのに、なぜ社員がそうするか。それは簡単なことで、そうした方が自分が得するからである。決して強制でそうさせているのではない。
武蔵野では10年前、社員のロイヤリティが25%しかなかったが、今では85%になった。しかもこの10年間で鬱やノイローゼになった社員はゼロ。なぜ、そんな状態が作れるのか?それも簡単なこと。徹底して、金で釣るんです。ビジョンや理念を共有しようとか、経営者の人格で人を引きつけようなどと考えるからおかしなことになる。そんなきれい事はいらない。現に武蔵野では、心の教育なんて一度もしたことがない。お金で釣らなきゃ人は付いてきませんよ。
それと、社長が誰よりも汗をかいて仕事をすること。それで結果を出していたら、社長が仮にヘラヘラしていてもおのずと尊敬されるし好かれもする。社長にとっては数字が人格そのものなんですから。
部門と部下の数字を変えられる人が幹部で、社長は幹部と会社の数字を変えられる人のことを言う。
それができなければ人格欠陥者としてほかの人に交代してもらわねば。
・・・

●相変わらずの小山節が炸裂した。人をバカにするな、と突っ込みたくなるところもあるが、誤解をおそれぬものいいに会場から笑いが起きていた。話は更にこう続いた。

・・・
創意工夫よりも難しいものがある。それはマネすること。オリジナルは要らない。武蔵野もいままで他の業界から徹底的にマネしてきた。
マネにもレベルがあるのを知っていますか?
小学生は中学生しかマネできないし、中学生は高校生しかマネできない。高校生になってはじめて大学生をマネできるようになる。マネすることにもレベルがあるんです。だからマネしようと思い続けていたら自然に成長するんです。オリジナルを持とうとか、創意工夫しようなどとは考えないことです。
・・・

●あっと言う間に一時間の講演が終わった。立ち見している苦痛など完全に忘れていた。このあと休憩があり、メインイベントの経営計画発表会になる。こちらでは、今まで一度も見たことがないものを見ることができた。

<明日につづく>