Rewrite:2014年3月20日(木)
私は高校野球を見るが大好きだ。「筋書きのないドラマ」とはよく言ったもので、試合後、選手が歓喜におどったり、予期せぬ敗戦にぼう然とする姿などをみると胸が熱くなる。特に延長戦などでサヨナラ負けを喫した側は最後まで勝てると思っていたのか、信じられずにぼう然としている。号泣して同僚に支えられている選手もいる。
「あれほど悔しがってみろ」と会議で発言したこともある。オブザーバー参加の私ではなく、社長にそう言っていただきたかったのだが…。
社員によっては目標未達成に慣れてしまい、達成率50%未満などというひどい数字を前にしても平然としているのがいる。「目標を半分にしてやるから、そのかわり絶対達成しろ!」と言いたい。
ドトールコーヒーの創業者・鳥羽博道氏はこんなことを述べている。
「誰もが、何が何でも実現したい、という言葉を口にします。しかし、何が何でも、にも初段から10段までの段位があるのです。普通の人は5段か6段かも知れない。どのくらいの強さで、何が何でも、と思うかが重要なのです」
まず「何が何でも達成したいかどうか」を問おう。もし「イエス」なら、初段から10段までのどの段位なのか行動をチェックしよう。
会議のやりとりを聞いていると社長の思いの強さが言葉づかいとなってあらわれる。普通、このような4つのパターンに分かれる。
1.「何やってたんだおまえは!」と激昂して叱りとばす社長
2.冷静に「なぜ達成できなかったのか?どんな対策を練っているのか?」とねばり強く質問を続ける社長
3.「済んだことはしようがない、それで今月どうするんだ?」と気持ちを切り替える社長
4.「よくがんばった、君がやってこの数字ならやむを得ない」とねぎらう社長(本音はちがうのだろうが)
どのパターンでも構わないが、担当社員の努力の中味に踏み込んでいく勇気が必要だ。
アメリカでは「マネジメントコーチ」と呼ばれる職業がある。
営業マンが「社長、今月中に新規開拓3件なんて目標はムリですよ」などと言ったとする。マネジメントコーチはすかさず、「君の頭にショットガンが突きつけられても同じことを言うかね」とやり返す。これもひとつの「何が何でも」の段位をあげさせるプロセスだ。なかには、「できないものは出来ない」とか、「じゃ、どうやれば出来るのか教えてくれ」などという社員もいる。ひとつの開き直りだ。これに対しても「それは職場放棄宣言?」などとやり返す。
私たちは知らず知らずのうちに社内の常識や慣習にそまっている。この社内常識の水準を引き上げていかねばならないのだ。