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経営のステージ戦略をもつ

相手を倒すためなら手段を選ばない、というのが覇道(はどう)

覇道とは武力と知恵、時には策略を用いてでも勝つことにこだわる生き方をいう。
一方、王道とは、帝王が仁徳をもって国を治める様をいう。弱者のうちから王道を目ざしてもうまくいかないし、強者になったのに覇道ばかりをやっていては人望が高まらず、誰かに足元をすくわれる。

同じ覇道を貫くにしても、勝ち方の良し悪しが本人の将来性や人気、評判などを左右する。非力な小兵力士ならけたぐりも猫だましも許されるが、大柄な体躯を誇る力士がけたぐりばかりを連発していては、強くなれない。覇道の中でも王道に近い覇道があるのだ。
信長もそれはわきまえていたようで、覇道の極みである奇襲作戦は生涯に一度しか用いていない。二度も三度もやらなかったので信長は強くなれたともいえる。

「けたぐりはよく効くよ」と言われてもあなたがそれをやってよいかどうか、やるべきかどうかはあなたが判断せねばならない。教えてくれた相手はあなたの現状もあなたの価値観もなにも知らずに言っているのだ。

経営判断を誤らないためには、経営をステージごとに分けてとらえると効果的だ。
以下、経営の覇道・王道イメージを作ってみた。あくまで、ひとつのサンプルに過ぎないが、考え方としてはヒントになるのではなかろうか。

◇第一ステージ(覇道その1 守備力強化)

自己資金5,000万を作る。そのためには、資金流出の凍結、税金も投資もしない。徹底した固定費の削減(新経費規定の成文化)を行う。役員報酬からの毎年の増資、などを続けながら、営業面では粗利益重視の販売姿勢を貫く。

◇第二ステージ:(覇道その2 攻撃力強化)

自己資金から投資開始。人材投資、Web 投資、商品開発などでマーケティング力を高め、会社の成長性と収益性を一気に高める。だが継続して財務重視、資金力重視の経営スタンスは変えない。

◇第三ステージ:(覇道その3 持続成長基盤づくり)

ポスト現業。つまり本業のマルチ化を計る。経営基盤を安定させ、持続的に成長発展を遂げる経営体制の実現。

◇第四ステージ:(覇道その4 「営業外利益」づくり)
ポスト営業。営業活動以外の収益源として、不動産からの家賃収入、株式投資による配当収入を増やしていく。究極は、年間固定費を上回る「営業外利益」にする。それは、売上げがゼロになっても赤字にならず、倒産リスクがゼロになる経営の完成を意味する。ただし、土地や株式の値上がり益(キャピタルゲイン)を目ざすものではない。

◇第五ステージ:(王道)
連邦経営の完成。第二ステージから育ててきた人材が社長としてそれぞれの分野で成長企業をつくりあげ、会社はホールディングカンパニーを中心とした連邦経営を実現する。

昨日はスキーの谷足荷重になぞらえて経営も谷足荷重にしようとお話しした。具体的にいえば、上記「第一ステージ」をクリアすることが、すなわちそれを意味する。

いかがだろう。よろしければあなたの経営ステージのイメージもお教え願いたい。