●「武沢さんならどうしますか?」とあるメンタルコーチ。
彼女のコーチングセッションでこんなことがあったそうだ。10人ほどの受講者全員で夢を書きだす【Wish List】作業を行った。10分ほどの時間を差し上げたのだが、そのうちの一人がわずか2個のWishしか書けなかったそうだ。30代とおぼしき女性だという。
●「たくさんのWishの中から大切なものを選びましょう」という次のステップに入るわけにもいかず、その人だけ時間を延長してWishの書き出し作業を続けてもらったという。それでもほとんど増えなかったとか。
●私には同様の経験がない。だが、私なら対話すると思う。質問し、対話しながらWishを書いていってもらうだろう。
Wishを書くには勇気がいる。
●なんでもいいから、希望や願望を箇条書きにする。たったそれだけのWish List作業でありながら、慣れていない人は構えてしまって身体が硬直する。
とくに自己概念が低い人はコンプレックスを抱えていることが多く、それが足かせになって夢をみる勇気に欠けていることがある。
●そんな人にとっては、自己概念(自己イメージ)の拡大こそ急務だと思う。
まずはありのままの姿を許容してくれる器の大きな人と一緒に仕事をしよう。あなたの魅力を発掘し、自尊心を大いに高めてくれる人と一緒に仕事ができればそれに勝る幸運はない。
●だが、幸運にたよってばかりいるわけにもいかない。自分自身でも努力しよう。それには、自尊心を高める生活を実践しよう。
早起きから始まって仕事はきっちりやる。読書やセミナーで勉強し、身体を鍛えて汗を書き、仲間やお客さんから認められ感謝される機会を増やしていこう。おのずと自己概念は高まっていく。
●自己を解放して、弦を緩めることも必要だ。
弱みをかくさない。むしろ、あえて弱みをさらけだすことができる人を身近にもつことが次に向かうエネルギー補給になることも多い。
●一層、二層、三層の三重の塔をイメージしていただきたい。
それぞれの層に正しいものがみっちりつまっていたら、その塔は国宝や重要文化財に指定されるほどの価値をもつ。
一層に詰まっているものは積極的な自己概念。
二層に詰まっているものは借り物ではない本物の夢と目標。
三層に詰まっているものはスキル。目標を実現するうえで欠かせない知識や技術が詰まっている。
●私たちは三層の部分を詰めることに精を出すが、一層や二層が手薄になったり、ホコリだらけになってはいないだろうか。時々点検を必要とする。
なぜなら、いったんは見事なまでに完成させた力強い自己概念も放置すれば必ずどこかが痛んだり破れたりするからだ。夢や目標もあるようにみえながら、実はぼんやりとしか存在しないことが多い。
・夢と目標を聞かれて、すぐに話し始めることができるだろうか?
・いつも同じような話ができるだろうか?
・熱っぽく夢や目標を語ることができるだろうか?
●一層、二層、三層、それぞれを点検しよう。