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また揺れたプロ野球界

●春分も過ぎて今日から昼が長くなる。これから夏至までの三か月間はどんどん日が長くなるから楽しみだ。
冬場は6時起き、夏場は5時起きと決めている私は、今日から夏場モードが始まった。

●さて、社長は自分らしさや我社らしさは大切にしつつも、自分と自社の領域を超える努力をしていただきたい。

社長は組織の建設者であると同時に破壊者の役も担っているのだ。
そのあたり、ドラッカーの言葉を引用するとこうなる。

・・・組織は、製品、サービス、プロセス、技能、人間関係、社会関係、さらには組織自らについてさえ確立されたもの、習慣化されたもの、馴染みのもの、心地よいものを体系的に破棄する仕組みをもたなければならない。要するに組織は、絶えざる変化を求めて組織されなければならない。新しい組織社会では、知識を有するあらゆる者が、4~5年おきに新しい知識を仕入れなければならない。
(『プロフェッショナルの条件』ドラッカー著 ダイヤモンド社刊)
・・・

●体系的に廃棄し新しい知識を仕入れて実行することを怠るとどうなるか。アッという間に時代遅れの会社になり、お客があなたの元を去り、他者がその地位を奪っていく。業種業態に関係なく絶えざるイノベーション(新機軸)が必要なのだ。

●プロ野球界をみてみよう。

今日は、「スパッとやれよ選手会!」と言いたい。
代表者会議で決まったことに異論があれば、マスコミにではなくコミッショナーに言うのが筋だろう。
プロ野球セントラルリーグは当初の予定を四日遅らせて3月29日に開幕することにした。だが、まだ「納得できない」と言う選手会。

私は選手会のそうした態度の方に違和感を感じるものである。

●選手会側の主張は「パリーグと同じ4月12日開幕にしたい」というもの。
節電担当大臣をはじめ、現職の大臣や知事が、いずれも選手会の意向を支持するかたち。だがそうした外野の声は、電力問題が理由であって「やるならデーゲームで」などと、選手会が難色を示す理由とは異なる理由なのだ。

●ヤクルト選手会も3月29日開幕に「NO」であると選手会長に告げたそうだ。だがその理由は電力問題ではなく、「あくまでパリーグと同時開幕にこだわりたい」という私からみれば根拠不明な理由。

つい最近までセパは別々に開幕していたのに、同日開幕にこだわる理由がわからない。

●パリーグには「楽天」というチームがあり、家族が被災されたり、スタジアムや練習場が被害にあった。試合も練習もままならないため、パリーグは独自に4月12日開幕としたのは結構なこと。だが、セリーグが、それに歩調をあわせる必要が見当たらない。

●「今は野球をやっている気分ではない」と発言する選手もいるが、東北高校の野球部員を見習おう。

プロとは自分の本職のためには自分の気分を超越できる人であるはずだ。プロ野球の選手はプロだと信じてきたが、それはワザだけがプロであってメンタリティは高校野球以下かもしれない。少々キツイ言い方だが今の態度ではそう受け取れてしまう。

●もちろんセリーグの選手の家族にも被災者はいる。しかし、「巨人」「ヤクルト」の本拠地は東京、「横浜」は神奈川、「中日」は愛知、「阪神」は兵庫、「広島」は広島と直接の被災地ではない。

●セリーグが代表者会議を開いて開幕を延期し、独自の自粛策まで出して電力対策を打ち出しているのだから、「プロ野球を楽しみにしているファンのためにも3月29日からやるべきだ」と私は申し上げたい。
それが職業人としての心意気だろう。

●ただし、デーゲームでやるか、ハーフナイトゲームを提案したい。
完全なデーゲームだとライブで試合を見られないので、試合時間を1時間早めて5時開始とする。
試合前半の5イニングめまでは、照明を半分にする。また、攻守の交代は全力疾走、タイムが取れるのは一試合二回までとするなど、試合時間の短縮に本腰入れる新機軸を打ち出してほしい。むしろ、今回が試合時間短縮の好機になる。

●かつての球団売却騒ぎの時に続く今回の騒動。プロ野球のあり方にイノベーションを起こしてほしい。
せっかくゴールデンルーキーをたくさん迎えて話題の多かった今年のプロ野球。
だが、球団側と選手会側の対立という構図がたびたび浮かび上がってくるようでは、ファンは愛想をつかして興味をなくしていく。
結構、正念場に立たされていることを認識してほしい。球団側はもちろん選手会も。