暮れも押し迫った12月30日、百式管理人の田口さんから一冊の本をプレゼントされた。『シーフードベジタリアン』(安岡博之著、発売英治出版)という健康法の本だ。
・・愉しく食べてビジネスで成功するための体質と脳質をつくる・・
というサブタイトルが粋だ。私に“もっと痩せろ”という田口さんのメッセージなのか、プレゼントの理由が気になるが、さっそく読んでみた。
これはおもしろい。
前半の99ページは延々と基礎知識の解説が続き、つまらない。だが、100ページ目から、にわかに面白くなる。実践編の解説がとてもわかりやすく現実的なのだ。従来からある“菜食主義”という意味でのベジタリアンではない。牛肉や豚、鶏肉、卵黄、乳製品だけは避けよう。そのかわり、野菜はもちろんのこと、魚介類やごはん、いも、麺類やパンなど積極的に食べようというかなり許容範囲の広い健康法だ。
しかも著者は、外食が多い現代ビジネスマンの食事環境を充分理解してくれている。そば屋、定食屋、コンビニ弁当、あるいはハンバーガーショップや居酒屋などで、どのように食べれば良いか、まで踏み込んで解説してあるのがうれしい。
さて本題。
この中に、ドキッとする単語が出てきた。「Night Eating Syndrome(ナイト・イーティング・シンドローム)」という。日本語では、「夜食ドカ食い症候群」というそうだ。太っている人の多くは朝・昼の食事は比較的コントロールされているという。だが、問題は夜だ。少しくらい良いだろうと気が緩み、自覚症状がほとんどないままに、あれよあれよとドカ食いする。
さらにそこにアルコールが加わると満腹中枢が麻痺し、ドンドン胃袋に入ってゆく。そして、仕上げに味の濃い高カロリーなもので満腹感を満たすことになる。あげくの果てにバタンキューと眠るのだ。
興味深いのは、こうした「夜食ドカ食い症候群」の人たちの中には「私が食べたのは大した量じゃない。それよりも、親から受け継いだ太りやすい体質なのが問題なんだ。」と答える人が少なくないという。
摂取カロリーと消費カロリーの差が体重の増減になるので、体質うんぬんは本来、太る理由にならない。食習慣と運動習慣の問題であり、本人の選択によるものだ。つまり、太ることを選択している、もしくは体重をコントロールすることを放棄している、もしくは自分をコントロールすることを忘れているのだ。
厳しい表現だがこうしたドカ食い状態のときは、先日秋田県沖で漂流したフェリー「すいせん」のように、コントール不能でただ漂っているだけとも言える。
自分で摂る食事の量を自分でコントロール出来ない、というのは恥ずかしいことだ。でも、
でも、それも人間なのだ。私も一年の3分の1は、その「○○症候群」だ。
理性ではわかっていても、「おいしいものをお腹いっぱい食べたい」という欲や本能には負けることが少なくない。そうしたときには、昨日は欲に負けたことを素直に認め、今日は理性が勝ちにゆけばよい。ただそれだけだ。
やってはいけないことが一つだけある。それは、負けた自分を認めずに、体質や遺伝や職業のせいにするなど、自分以外の何かのせいにすることだ。
言い訳に使われるのは個人の肉体体質だけではない。企業の体質、業界の体質、地域経済の体質、日本経済の体質、家庭環境という体質などキリがない。
それらはあくまで環境条件に過ぎない。得ている結果・成果は、そのものズバリ、あなたの選択だと考えてはいかがだろう。
その証拠に、企業再建の名人などがわずかの期間で企業を生き返らせることができるのは、言い訳を断ち切ることだけをやっているのだ、と知っておこう。
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武沢・画像日記 はじめました
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