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オリジナルとコピー

●「夢は実現します」などと平気でいう人がいるが、それは本当に本当だろうか。
若者をミスリードしないためにも安易にそうした発言はしないほうが良い。もっと正確に言ってほしいものだ。

とくべつな夢をもち、その実現に向かって幾つかの条件を満たした時にその夢は叶う可能性が高い、と。

そのあたり、SMIの創設者であるポール・J・マイヤー氏はもっと詩的にこう表現している。

・・・鮮やかに想像し、熱烈に望み、心から信じ、魂をこめた熱意をもって行動すれば、何ごとも必ず実現する・・・

●もし何かが欠けていたら。すなわち、

・鮮やかに想像する
・熱烈に望む
・心から信じる
・魂をこめた熱意で行動する

のうち、どれかが欠けていたら夢は叶わないかもしれない。

●人まねではなく他社事例の模倣でもない。
あなたオリジナルの夢を企画立案し、行動を計画し、あなた独自のやり方で夢を実現してゆこう。コピーではなく、オリジナルで。

では、オリジナルとは何かが問題だ。

●こんな話がある。

・・・ピカソ存命中に彼の絵が一億円で売られていた。それを買おうと思った女性が、専門家に鑑定を依頼した。

その鑑定人は絵を見た瞬間こう言った。

「この絵は間違いなくピカソの絵です。僕はこの絵をピカソが描いている現場にいましたから。さっそく今から鑑定書を書きましょう」

女性は鑑定書をもらってもまだ心配だったので、鑑定人と一緒にその絵をもってピカソに会いに行った。するとピカソはこう言った。

「その絵はオリジナルではありません」

そう聞いて鑑定人は、「ピカソ君、あなたがこれを描いているのを僕はみましたよ」

するとピカソはこう言った。

「たしかに描くには描いたが、オリジナルではない。以前にも同じ絵をぼくは描いている。何もすることがなかったから、同じ絵をくり返し描いたんだ。パリの美術館に行ってごらん、オリジナルの絵がそこにあるから」

・・・

●本人が描いたかどうかが問題ではなく、どんな気持ちでそれを描いたかがオリジナルとコピーの違いだとピカソ。
二度目、三度目の方がきっと上手に描けるだろう。だが、鮮やかに想像し、熱烈に望み、心から信じ、魂をこめた熱意で描いたのではなく、記憶と手先の技術によって描いたものはコピー品に過ぎないというわけだ。

●私は、逆も真なりではないかと思う。

仮に、誰かの何かの事例を参考にしたとしても、あなたの全存在をかけてそれに取り組むならば、それはあなたにとって完ぺきなオリジナルといえよう。

目標も計画もオリジナルで行こうではないか。