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火の用心部長 余話

●昨日号では「火の用心部長」と題して、ある人材派遣会社の苦悩をご紹介した。そのモデルとなった会社は東京都内に実在し、A社長は、れっきとした「がんばれ社長!」の読者である。だから原稿の書き方に私なりの配慮をしたつもりだったがメルマガ配信直後にA社長からメールが届いた。

●「うわぁ、やばい。友人とは言え、きっと抗議のメールだな」と思いながら、恐る恐る開封すると、こんな文面が目に飛び込んできた。

・・・本日のメルマガ『火の用心部長』を拝読させていただきました。
今回は、当社の経営会議の事を書いていただいたのですね。
ありがとうございました。
読ませていただいて、非常に複雑な気持ちでした。
どのような幹部であろうと、彼らの問題は私の問題。私の影響力の弱さのほうが問題なのでしょう。

(中略)

ほかにも書きたい事は山のようにありますが、なかなかまとまらないので、この辺りにします。本日は、「がんばれナイト!」に参加させていただきます。
・・・

●A社長のメールにあるように、社内のすべては社長の問題であるのは確かだが、メルマガで幹部の悪口を書くことで、社長に彼らを正しくリードしてほしいという願いが込められている。
でもとりあえずは、苦情でなくてホッとした。

●そして夜になり、「がんばれ!ナイト」の時間になった。向こうからA社長がやって来た。

A社長:あ、武沢さん、こんにちは
武沢:あ、A社長。ようこそ
A:今日はメルマガに書いて下さってありがとうございました
武:とんでもない。それより気分を害してませんか?御社のことを書いているのだと分からないように書いたつもりなのですが、分かっちゃいましたか?
A:ハッハッハ、そりゃ分かりますよ。でもあれだけの短い時間でよく当社の実情を察知されましたね
武:短い時間だから感じるんですよ。長くいれば僕もメンバーの一員になっちゃって感じなくなるものです。それよりも、原稿の内容に異論はありませんでしたか?
A:異論ではないのですが、少々感じていることがありまして

●A社長いわく、くだんのB部長は “社員のヒーロー” なのだという。
社長に言いにくいことをズケズケ言い、社員や派遣スタッフのことを守ってくれる英雄がB部長なのだという。
そして、B氏自身がこの業界に10年以上いることから、社内では誰よりも業界事情に詳しく、人脈も豊富で営業も彼まかせ。まるで、B部長が社長のような雰囲気らしい。

●私はそのお話を聞いて、こう申し上げた。
B部長が今置かれているナンバー2という立場は、「社員のヒーロー」である以前に、まず「社長の腹心」でなければならない。できれば、嫌われ役、汚れ役も買って出て、決して社長を悪者にしないのがナンバー2である。社長の女房役、官房長官である。それは社長の言いなりになるという意味ではない。社長に反論し、苦言をいうときもあるだろうが、それは二人になった時だけである。

●社長はそういう要求をナンバー2にすべきだし、それがやれる人を腹心に登用せねば組織の体をなさなくなる。
本来、そうした自己犠牲と自己規律をもった人材は”育てる”ものより、”見つける”ものでもある。

と申し上げた。

●最後に、昨夜A社長の勇気に感心することがあった。

私はダメを承知で「メルマガのモデルになったA社長はこの方です」とAさんを紹介しても構いませんか」とお願いしてみた。
すると、二つ返事でOKされ「メルマガのモデル会社はうちです」とスピーチされた。

●最初は自己紹介を指名されて嬉しかったという。だが、スピーチが終わってから、A社長は内心すごく悔しかったそうだ。今度はかならず成功事例をスピーチしたいと思ったという。

「がんばれ社長!」の読者仲間なんだから、かっこいい所ばかり見せようとする必要なんかない。かっこ悪いとこもさらけだし、次には進歩しているところを見せようとがんばる。それがA社長をもう一段進化させていくのだと思う。そうした発奮がときには必要なのだ。

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