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風邪ひいてませんか?

●以前、ある会社を訪問したらこんな場面に遭遇した。

アニマル浜口氏にそっくりの営業部長が部下にむかってこう吼えていたのだ。

「お前なあ、こんな月末に風邪をひくとはけしからんぞ。気合いが入っていない証拠だ。もう一度気合いを入れ直せ~っ!」

●そう言われてしまった営業の山田君はたしかによく風邪をひく。年度末の大切な時期にもかかわらず三日間も風邪で静養していたことを部長に怒鳴れても文句は言えない。

●山田君は部長にこう詫びた。

「どうもすみませんでした。でも部長、僕は気合いは入っているつもりです。ただ、ちょっと免疫が落ちているようです」
「なに?免疫のせいにするな。気合いだ、気合いの問題だ」
「いえ、免疫です。気合いは入っていますから」
「バカもん、気合いだ、気合いだ~」

●私は気合いと免疫のどっちが足りないのかよく分からなかったが、ある時、何げなくテレビを見ていてピーンときた。

「売れっ子芸能人は風邪をひかない」

特に生放送のレギュラー番組をもっているタレントやアナウンサーが風邪で休んだり、鼻声になったり、くしゃみを連発するところを見たことがない。人気の映画俳優やアーチスト、プロスポーツ選手も風邪や胃痛で仕事を休んだという話を聞いたことがない。

●もちろんそうした人達は自覚があるから健康管理には万全の注意を払っているのだろうが、それ以外になにかあるはずだ。

『デキる男のアンチエイジング仕事習慣』(稲川龍男著、日経BP)にこんな一節をみつけた。

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スーパースターは風邪をひかないといわれます。それは人から注目されることによって自尊心が高まり、免疫力が高まるから。免疫力が上がれば、体内の炎症を抑え、細胞の老化を防ぐのでアンチエイジングにも優れた効果を発揮します。さあ、あなたも社内のスーパースターを目指しましょう。
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●アンチエイジング・プランナーであり生理学者でもある著者は、セルフエスティーム(自尊感情)を高めることが免疫力を高め、若返りと職場の雰囲気の活性化につながると言う。

●では、自尊感情とは何だろう。
私の考えでは、自尊感情とはまず自分自身が価値ある存在と自覚すること。それに、自分がいま取り組んでいる仕事にも価値を見いだすことができれば更によい。

●しかも、社長ひとりが自尊感情を高めるのではなく、社員ひとりひとりにも自尊感情を高めてもらえば、職場全体の活性化にもなるはず。

部下が風邪をひいたとき、「気合いが足りん」とか「免疫が落ちてる」とかいう前に、あなたを大切に思っているよ、あなたが取り組んでいる仕事はこんなにも意味あることなんだよ、と教えてあげよう。

もちろん自分自身に対してもそう思えるような事実を積み上げていくのだ。風邪ひきが、ひとつのバロメーターである。

★『デキる男のアンチエイジング仕事習慣』
http://e-comon.co.jp/pv.php?lid=2207