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生産性向上策


●中小企業は大企業に比べ生産性が低い。

生産性の高低をはかる目安は、「会社の年間粗利益÷従業員数」で計算する。日本の中小企業は、この金額が600万円台にしかならない。
できれば1,000万円に到達したいものだが、まずは800万円を射程圏にしたい。

●ちなみに「従業員数」のなかに短時間のパートタイマーがいる場合は、一日8時間で一人とみなして計算する。また、非常勤役員はカウントしないが社長や常勤の役員は全員「従業員数」に入れる。

●一年半前の平成19年11月13日、経済産業省中小企業庁は『中小企業生産性向上プロジェクト』をとりまとめ、今後三年間で中小企業がなすべき課題を明らかにした。

詳しくは以下のHP↓にあるが、かなり長文であることと、致命的な悪文であるため、おそらく最後まですらすらと理解しながら読むことができる経営者は希有であると思う。
http://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/071113seisansei_pj.htm

悪文の典型ではあるものの、政策や方針をとりまとめる上でのヒントになる。私なりに大胆に簡約してみたので、おつきあいいただきたい。

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『中小企業生産性向上プロジェクト』

1.現状認識と今後の対応について

人口減少社会というこれまでにない局面の中にあっても、国の成長力を持続・強化させることは我が国の非常に大切なテーマです。
そのためには、生産性を向上させることが不可欠となります。特に中小企業は、消費者や取引先のニーズにきめ細やかに対応する柔軟性や機動力を武器に、この厳しい状況をビジネスチャンスに転化し、我が国の経済を牽引する役割を担っていただける立場にあると考えます。

当然、経済産業省としましても、中小企業の生産性向上は緊急に取り組むべき重要な政策課題となっているわけです。

2.中小企業への政策理念

従来は社会的弱者としての中小企業像を前提として、格差の是正を図ることを政策理念としてきました。
しかし、平成11年の「中小企業基本法」改正により、その考えは大幅に改められました。
現在では、中小企業を「多様な事業の分野において特色ある事業活動を行い、多様な就業の機会を提供し、個人がその能力を発揮しつつ事業を行う機会を提供することにより、我が国経済の基盤を形成しているもの」として中小企業を位置付けています。

そのため、政府としては、「多様で活力ある中小企業の成長・発展」を新たな政策理念として掲げ、中小企業の自主的な努力を支援します。
それは、全国430万社の中小企業を一律に助成するのではなく、意欲ある中小企業の前向きな取組の支援や金融措置等の環境整備に重点を置いて施策を講じていく、ということです。

3.本プロジェクトの進め方

こうした考え方に基づき、本プロジェクトにおける中小企業の生産性向上支援策は以下のようになります。

・個別の企業レベルでは

(1)【付加価値の創造】
変化する消費者等のニーズに対応した商品等の開発、国内外の新たなマーケットの開拓等

(2)【経営力の向上】
自社の経営状況と課題を把握する能力の向上支援とともに、ヒト(人材能力の向上、団塊世代のOB人材の活用、後継者等)、モノ(技術力の向上、IT投資等)、カネ(政府系金融機関及び民間金融機関からの資金調達の迅速化・円滑化等)等の経営資源の補強等

・企業を超えるレベルでは
(3)【公正かつ効率的・合理的な事業環境の整備】
合理的な金融環境の整備、元請・下請構造に置かれる中小企業をめぐる下請適正取引等

と大別しています。

4.具体的取り組み

上に述べた基本的考え方に従って、平成19年度から21年度の3年間にわたり、以下の施策をおこないます。

(1)【付加価値の創造】

1.中小企業地域資源活用プログラムの推進
2.ものづくり高度化支援
経営革新の支援
新連携の支援
創業・起業等の支援
3.付加価値創造の制約要因・課題の解消
JAPANブランド育成支援事業の推進
販路開拓の支援
「新現役チャレンジプラン」の創設
中小企業の設備投資等の促進支援

(2)【経営力の向上】

中小企業の中長期的な成長を確保する鍵は、個別企業の経営力向上にあります。
中小企業の場合は特に経営者個人の経営能力が事業の成否を決める度合いが高いため、経営力向上による効果が大きいと考えられます。
また中小企業は、社内に豊富な経営資源(ヒト・モノ・カネ)を抱えることが難しいため、外部の経営資源を有効に活用するための「ネットワークの構築」がとても大きな意味合いをもち、その構築支援も政策課題となります。

1.小規模企業等の経営力向上支援

小規模企業等については、
・経営者自らが、自社の財務状況や経営課題の把握が適切にできるようにする
・把握した経営課題を解決するため、それを一人で抱え込むのではなく「外部資源」の活用がスムーズにできるようにする。

そのため、財務会計ソフトをはじめとする安価で使いやすいソフトウェアをインターネットを通じて活用できるSaaS/ASPシステムの開発等を行うとともに、それらを活用して、小規模企業が自らの財務状況を把握できるようにする支援を行います。また、これらを公的手続(銀行や政府系金融機関)のオンラインサービス等につなげていけるよう支援を進めます。

これと併せて、マル経融資をはじめとする資金供給の迅速化等に取り組み、小規模企業の収益力の強化、金融機関や取引先からの信頼性の向上を図ってゆきます。

また、小規模企業が直面する課題を克服できるよう、商工会・商工会議所をはじめ先進的な支援プログラムを実施しようとする機関を全国で選定し、企業OBを含む専門家の派遣等を行うことにより、ITを活用した経営方法の改善や地域資源を活用した新たな事業展開等を重点的に支援します。

以上の情報・金融面での支援及びこれらも活用した先進的な支援を通じて、平成21年度末までに、約30万社の小規模企業等が、ITを利用した財務会計整備等の経営力向上に取り組むことを目指します。

2.中小企業のIT化

中小企業においては、大企業と比してITの活用度合いが遅れており、引き続き、IT化を通じて生産方法の合理化や、販売方法の改善等を進めていくことが必要となっています。

・中小企業のIT化
企業における生産性は、ITの活用によって大きく向上する可能性があります。しかし、中小企業ではIT投資をしても効果が得られにくい使い方をしていたり、特に小規模の企業についてはITの普及そのものが遅れていたりするのが現状です。
このため、すでに述べたようにインターネットを通じた支援ソフトを活用して小規模企業の財務会計支援を図るとともに、これらの情報をデータベース化して、小規模企業等や支援機関、金融機関が活用可能な情報源として整備します。
また、平成20年度から平成21年度にかけて、財務会計、人事給与等の業務を支援する関連アプリケーション及びそれらが稼働する基盤となるSaaSシステムを開発し、安価かつ使い易いソフトウェアの提供を開始。併せて、IT経営応援隊等による普及啓蒙活動を集中的に行うとともに、SaaSを活用したe-tax、社会保険などの公的手続きのオンラインサービスを一体的に提供することにより、利用者の利便性・利用拡大に向けてのインセンティブとします。
平成21年度末までに、50万社程度の中小・小規模企業への普及を目標としてIT活用の底上げを図ります。

3.後継者難の問題解決

成長発展の可能性を秘めた中小企業を市場に残すことは、国の活力を維持する上で大変重要な課題となっています。しかし、廃業率のほうが開業率を上回っている状況が続いています。後継者や若手技術者等を中小企業につなぎとめるための方策が必要です。
後継者難の問題を抱える中小企業について、事業承継マッチングを含む総合的な事業承継支援を展開します。

また、都市部の大企業から地方の中小企業に人材を繋ぐネットワークの構築(新現役チャレンジプラン)、中小企業が地元の高専等と組んで行う若手技術者の育成等、人材育成・確保の支援策を講じていきます。

・中小企業の事業承継の円滑化
地域経済の活性化、雇用の確保の観点から、中小企業の事業承継の円滑化に向けて、事業承継のニーズに対応したワンストップサービスを行う「事業承継支援センター」を全国に設置します。

・中小企業のものづくり人材の育成
地域のモノ作り中小企業と高専・工業高校といった教育機関等との連携を推進する事業により、地域の中小企業のニーズに応じた講義と実習を実施するとともに、企業のベテラン技術者による講義実習や、生徒や教員の現場での実践教育等を実施し、中小企業の若手技術者を育成・確保します。

平成21年度末までに、延べ3万人程度の受講者実現を目指します。

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●以上が骨子である。
中小企業の生産性向上問題が国策になるほどである。もしあなたの会社も生産性が低いと認識されるならば、以上の文面をヒントに、その向上策を練りあげていただきたい。

●明日の「がんばれ社長!」では、国の政策に欠落している問題を書くつもりである。
それは「社内コミュニケーションの生産性向上」問題について。

昨夜(4月6日)の「がんばれ!ナイト」のゲスト講師・大橋禅太郎さんが公開してくれた「すごい会議」のやり方について紹介しながら、この問題を書いてみたい。

昨夜の「がんばれ!ナイト」画像 ↓
謝礼