ハンガリーでの実話。ホームレスの男性(55)が所持金約300円のすべてを宝くじ購入にあてたところ、それが見事大当たり。3億円を手に入れて億万長者になったという。めでたい話ではあるが、あまり賞賛されるべき話には思えない。ましてや映画にもしづらい話題だろう。
→ http://yaplog.jp/ar125/archive/5290
同じくホームレスから億万長者になったこちらの人物の場合は、宝くじではなく実力で勝ちとった億万長者。そして、彼の物語は映画にもなった。その人の名はクリス・ガードナー(以下「ガードナー」)。2006年の映画『幸せのちから』でウィル・スミス親子が演じたあの実在モデルがガードナーで、実は映画の後半でガードナー自身もチラッと登場している。
映画のその場面⇒ http://movie-bitari.com/happy-kurisu9/
その映画を私は見ていないし、ガードナーのことも最近までまったく知らなかった。ネットで他のことを調べているうちに偶然ガードナー氏が経営している会社がヒットしたのだ。映画になるほどなので、すでにかなりの有名人である。でも、まだご存知ない方のために今日はそのことを書いてみたい。
ニュースソースはウィキペディアやその他のブログ記事である。
クリス・ガードナー、1954年生まれ。1977年(23)に結婚したが、やがて離婚。当時は医療器具販売の冴えない営業マンをしていた。ある日、街を歩いていたら一台の真っ赤なフェラーリが悠然と走り去っていった。「どんな人があれを乗りまわしているのだろう」と後を追いかけた。やがて駐車場でその男性をつかまえることができた。相手は車だけでなく、身なりにおいても文句のない着こなしをしていた。
どうすればあなたにみたいになれるのかと聞いた。すると男性は「株取引で儲けたのさ」と教えてくれた。株式に興味をもったガードナーは、その男性に頼んで証券会社の支店長を何人か紹介してもらった。このあたりの行動力とオシの強さは成功者の条件をもちあわせているようだ。
すぐに証券会社の支店長に面会を申し込んだ。株に投資するお金はなかったが、仲買人の仕事をすればお金が儲かると知り、株の仲買人になると決めた。学習と準備のために医療器具のセールス業を辞めている。
やがて仲買業のディーン社のインターンシップに申し込み、訓練プログラムに参加することになった。
ここまではそれほど悪くはない人生である。
しかし、彼を受け入れたディーン社の担当者が解雇されたため、ガードナーは訓練プログラムに参加することができなくなってしまった。このあたりから悪いことが起こり始める。
当時の交際相手(女性)が息子を連れて彼のもとを去ってしまった。しかも間の悪いことに交通違反の切符を切られ、駐車違反の罰金として1200ドルもの請求が届いた。払うことができなかったガードナーは収監されている。収監中に許可を得てアパートに戻ると、そこにあるべき家具から衣類まですべてがなくなっていた。彼のもとを去った女性の仕業だった。
ガードナーの不幸はまだ終わらない。
その後、ディーン社のトレーニングプログラムを受けることになったが、給料がでないため生活費がなくなってしまった。ディーン社の首席研修生となって正社員の仕事にありつかないとホームレスになってしまう。懸命に勉強し、激しく働いた。具体的には一日200本の電話をかけるという目標を掲げ、朝早くから夜遅くまで働きづめに働いて、有望な顧客に連絡をとった。
こうした苦労と努力が実り、ディーン社の正規社員として雇われることが決まった。人生はようやく好転しはじめると喜んでいたら、逃げた交際相手が4ヵ月後に戻って来た。今度は息子をおいて、再び去った。
ガードナーは父子家庭の道を受け入れることにした。息子を引き取ってからはホームレスとして暮らしていくことになった。この間、同僚たちにはホームレス生活をしていることを明かさなかったが、周囲は気づいていたようである。
ホームレス生活の父子家庭。そんな境遇から証券会社に毎朝出勤し、毎日200本の電話をかけまくる。その鬼気迫る生活態度に周囲も一目置き始めた。やがてトップセールスにのし上がり、多額のコミッション収入を得るようになった。その後、起業して自らが証券会社のオーナーになってさらに大きな成功を手に入れるのである。
いかがだろう。
ホームレスからでも億万長者になれることを教えてくれる人たちが何人もいるとわかると、まだホームレスになっていない今の境遇に感謝したくなる。