10年前に名古屋で開催した「経営計画作成講座」(7回コース)に静岡県から毎回通われた経営者がいる。U 建設のU 社長だが、最近、それ以来となるメールを頂戴した。それによれば、あのとき初めて作った経営計画書が3年目ぐらいから大きく実を結び、この10年で社員数は3倍に(11名→34名)、売上げは5倍に(2.5億→12億)、営業利益は11倍(600万→7,000万)になったという。富士山をバックに社員が勢揃いしている写真が添えられていた。今年から建材販売でアジア進出も始まり、業績は好調だという。
そんな U 社の重点目標が三つあり、そのうちのひとつが社員の給料を県内の建設会社のなかで一番にすることだそうだ。「ついては同業他社の給料を知る方法を教えてほしい」とメールの末尾にあった。
地域内の同業他社の給料を知るには、おつき合いされている社会保険労務士さんに聞くのが一番確実である。もしネットで調べるのであれば「静岡県 賃金調査」という具合に検索してみよう。都道府県によって調査の有無や調査の方法、時期が異なるが、運がよければかなり詳細で最新のデータが無料で手に入る。
静岡県の場合はこちら↓。(平成21年度調査)
http://e-comon.co.jp/pv.php?lid=4258
別の県であった話だが、ある中堅社員が同窓会で情報交換したとき、彼の同窓生は皆、とても待遇に恵まれていたらしい。「自分だけが不当に安く働かされている」と盲信した彼は、その翌日から社内で「うちの給料は格段に安い。なぜなら・・・」と言いふらし、不信感が社内に増幅して困り果てた社長がおられた。
時には地域内の同規模、同業種の賃金調査の結果と自社のそれとを比較し、経営計画書に載せるなどして「我社は待遇のよい会社を目指している」、「すでに待遇では他社に負けていない」といったことを強調されてはいかだろう。そのニュースソースに困ることはない。