日本では、製造現場や建設現場の生産性にくらべて、営業やサービス部門、オフィス部門が立ち後れているといわれる。それは、製造・建設現場にくらべて作業の標準化がしにくく、上司や同僚が関与しにくいからでもあろう。
しかし、時代はいつまでも待っていてくれない。国際競争力という観点から企業の生産性向上が急務となっている日本企業では、営業部門やホワイトカラー部門の仕事ぶりにメスを入れることが不可欠になってきた。
そうした時代背景もあろう。今月8日、 株式会社セールスフォース
・ドットコムからこんなリリースが飛びこんできた。
(リリース文責:武沢)
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<News Release>
セールスフォース・ドットコム、米 Fortune 誌が選ぶ米国大手企業リスト「Fortune 500」の 1 社に選出。
・世界シェアトップの CRM を提供する米国セールスフォース・ドットコム(日本法人:株式会社セールスフォース・ドットコム、本社:東京都千代田区、代表取締役会長兼 CEO: 小出伸一)は本日、米 Fortune 誌が選ぶ米国大手企業のリスト「Fortune 500」に、同社が初めて選ばれたことを発表しました。
・セールスフォース・ドットコムは年間推定売上が60億ドルとなる初のエンタープライズ・クラウドコンピューティング企業であるとともに、最も急成長しているソフトウェア企業トップ 10 社のうちの1 社です。
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セールスフォース・ドットコムといえば言わずと知れた営業支援ツール「Salesforce」を提供する会社。クラウドサービスの草分けである。営業支援クラウドの会社が Fortune500に初選出されたことの意味はとてつもなく大きい。ひとつはクラウドがそこまで大きなマーケットに成長したという意味で。もうひとつは、世界中の会社で営業は、クラウドとスマホで管理する科学的営業にシフトしているという意味で。
世界でも日本でも、ホワイトカラーによるナレッジワーク(知識労働)の比率が高まった。それだけにホワイトカラーの生産性向上、とりわけ営業の飛躍的な生産性向上は多くの企業の戦略課題である。
まず、あなたの会社で次のことがどの程度できているかチェックしてみよう。
1.「顧客情報」(会社情報や担当者情報)が整理され、情報の更新や閲覧がどこからでもできるようになっていますか
2.顧客との商談がどこまで進んでいるか、どこで滞っているかといった「商談情報」の履歴がたえず更新され、必要な人が
閲覧できるようになっていますか
3.「顧客情報」「商談情報」以外に、「物件(案件)情報」が更新され、必要な人がそれを閲覧できるようになっています
か
4.商談が行われるたびにステップアップされ、やがて受注にいたるわけだが、物件ごとに「成約率」見通しはシビアに管理
され、その結果、月次業績の見通し精度も高まっていますか
5.提案書、見積書、企画書、メールのやりとりなど、デキル営業社員の経験知が共有され、社歴の浅い営業社員でもそうし
たスキルを営業活動に取り入れられるようになっていますか
一般的な会社では、こうした情報はパソコンやネットのどこかにあるはずだ。ひょっとしたら手書きの紙ベースで行われているのかもしれない。問題はそれがすぐに探し出せて、簡単に閲覧でき、今月の営業活動に活かせるかどうかである。
ある会社では、それら営業データをすべて Excel や Google スプレッドシートで管理してきた。膨大な過去情報がそれらのシートに格納されているのだが、使い勝手が非常に悪く、誰もその情報を見ようとはしない。
別のある会社では、全営業社員の日報を Gmail で管理している。社員全員(約30人)で日報共有しているため、毎日30通×月間25日で750通/月(9,000通/年)の日報が貯まっていく。そこから何か活かせる情報を探せといっても無理な話である。社員の苦労や知恵がまるで虚空に消えていくのを見すごしている状態だ。
そうした「とりあえず貯めておく」という営業管理法にメスを入れるのに Salesforce はうってつけである。通信環境さえあればパソコンだけでなくスマホでも使える。むしろ、営業現場ですぐに入力できるよう、スマホ操作を強く意識してつくられている。
検討してすぐ導入できる会社もあるだろう。何かの都合で次の決算期から導入する会社もあるだろう。場合によっては別の手段を選ぶ会社もあるかもしれない。いずれにしても、導入事例は参考になる。今回は、ベンチャーやスモールビジネスで Salesforceがどのように活かされているかをお伝えする。
http://e-comon.co.jp/pv.php?lid=4247