●「四字熟語」の話題はどこでも誰とでもできるので便利だ。
ましてやそれを身近な人が書いたとなると、周囲から思わぬリアクションが返ってくる。
●年の瀬のある夜、仕事を終えて一人でクラブに立ち寄った。
最近見つけたこのお店は、一人でふらりと入れる気軽さが気に入っている。
ウイスキーのロックを注文し、ふと周囲をみると、カウンターの端にいた男性客が私の本を読んでいるではないか。
「え、どういうこと?」
と思っていたら、ママがやってきた。
「この前あなたに頂いた本を見せてあげてるのよ。さっきから興味をもってずっと読んでるみたい。何なら互いにご紹介しましょうか?結構大きな会社の社長さんよ」
私は遠慮したが、結局ママはそのお客に私のことを紹介したようで、目線が合って互いに会釈した。
●その翌日、実家の母から携帯メールが入った。
「正月休みにあなたの四字熟語の本を何冊か持ってきてほしい。ある分だけ私が買うから」とのこと。
どうやらお世話になっている人たちに母がプレゼントするらしい。今までの経営本では、一度もそんな申し出がなかったことを思うと、やはり四字熟語は市場が広い。
●実家に戻って弟にも一冊プレゼントしたところ、思わぬことを言い出した。
「兄貴、本を出したとは言っても、実際に書店に並んでいるわけじゃないんでしょ。自費出版みたいなものなんでしょ」と言う。
私は言い返した。
「日本中の本屋にあるとは言わないまでも、大きな本屋さんだったら50%の確率で売られている」
だが信じてくれない。
「じゃあお店に行ってみようよ。もし、どこにも売っていなかったら焼き肉をおごる」と、まずショッピングセンター内の書店に行ってみた。
すると、入り口近くに『使える!社長の四字熟語100選 経営に効く!』が面陳列されていた。
弟はびっくりして、その様子を誰かに写メしていた。
●年が改まった休み明けの日、いつものように出社前にスターバックスコーヒーに立ち寄り、いつもの女性スタッフに向かって、いつものように、「本日のコーヒー、トールサイズ」と注文したら、いつもと違う反応が返ってきた。
「少々お話ししたいことがあるのですが・・」と言う。
何だろうと思いながら席で待っていたら彼女がきた。
●「お正月休みに四字熟語の本を読ませていただきました」。
そういえば、このお店にも一冊プレゼントしたのだった。それを年末に彼女が自宅へ持ち帰り、じっくり読んでくれたらしい。
「武沢さんがあのような本を書く仕事をしているとは知りませんでした。とても感動しました。それに、本の中でスターバックスの話題が2~3カ所出てくるのもうれしかったです。いつごろから今のようなお仕事をされているのですか?今年も本を出される予定なのですか?」
そういえば床屋のママにも年末にプレゼントした。次回の散髪でどのようなリアクションがあるのだろうか。
●最後に、昨夜のこと。ある会社の会議に招待された。
ここの社長が私の四字熟語本を読んで感化されたのか、社員全員(20名)が今年の抱負を四字熟語にして発表するらしい。
いろんな四字熟語が発表された。
・人間関係
・資格取得
・現状維持
・自己管理
・整理整頓
・日進月歩
・積極思考
・・・etc.
各自の深い思いがそれぞれの言葉に詰まっている。
●最後の方で発表してくれた若手社員は、「一日一膳」と発表した。
彼は最近太ったようで、一年に10キロ減量するために車に乗る回数を減らそうと、自転車まで買ったという。
私はご飯を「一日一膳」にするのだと思って決意を確認してみたら、ご飯は大好きだから減らさないという。
「え、じゃあなぜ「一日一膳」なの?」
「あっ、・・・良い行いをするほうの「一日一善」でした」。
一同大爆笑。ヘキサゴンものの名発表だった。
「またメルマガでこのことを書くんでしょ」と彼が言うので、「その通り」とお答えしておいた。だが彼のために名は伏せる。
★『使える!社長の四字熟語100選 経営に効く!』
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