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がんばれ!高学歴ミドル

連休入り直前の4/26(金)、2002年版の中小企業白書が発表になった。全国の書店で発売されるのは来週になりそうだが、今年もいくつか注目に値する特集記事がありそうだ。

http://www.chusho.meti.go.jp/hakusyo/index.html
このサイトから見つけた面白データをひとつご紹介しよう。

創業希望者は日本国内で何人いるか?

という調査がある。総務省が5年に一回行う、「就業構造基本調査」のデータによると、日本ではこの20年間、一貫して100万人を超える創業希望者がいる。そして、直近の調査では124万人にいたる。一方、平成13年平均での労働力人口は、6752万人(男性3992万人、女性2760万人)。ここから、すでに創業を実現した社長の数250万人を差し引くと、6500万人が被雇用者。創業希望者の比率は、124万人÷6500万人=1.9%となる。

おかしいなぁ、創業希望者がたったそれだけの比率だろうか?と思われる読者も多いだろう。潜在的な創業願望もカウントしたら、きっとケタが違ってくるだろう。

だがここでは、それが本題ではないので先へ進もう。

次に、124万人の創業希望者のうち、一体何パーセントがそれを実現しているかを見てみよう。この数字を、「創業実現率」という。調査開始の1968年(昭和43年)の創業実現率66.0%をピークにして、その後は一貫して低下し続け、直近の1997年(平成9年)調査では30.5%となっている。口に出して、「俺は近々独立するぞ!」と宣言したものの、それを実現するのは、30%というところなのだろう。

創業しない人とはどんなプロフィールの人か。その詳細データは同サイトをご覧いただくとして、次の人々は腰が重いという結果が出ている。

1.高学歴の人
2.男性
3.比較的若年齢層

私なりにその理由を考えてみたが、まず高学歴の人は、リスクが見えすぎてしまってためらいが出るのではないか。そして、男性。これは、家庭を守るという防御本能と責任意識が、起業するという夢や攻撃本能よりも勝ってしまうのではないか。そして、若年齢層。意外にも20代と30代の創業実現率が低い。その理由は、資金の問題だ。自己資金に乏しく、個人信用もない。そうした中での創業というのは、想像以上に困難である。だが、・・・

創業成功率とでも呼ぶべき指数もある。開業後2年以内に黒字を実現した者の統計値だ。それによると、年令と成功率の関係は、きれいな反比例の関係だ。

20代 黒字達成率 66.0%
30代       64.2%
40代       52.7%
50代       45.2%
60以上      42.5%

つまり若者は資金難によって創業実現率は低いが、実現してしまえば、6割以上が成功していることになる。さらに、経験のあるビジネス分野で創業すると、この成功率がさらに高くなるという結果も出ている。一方、高学歴の中高年(ミドル)は、黒字達成率が低い。赤字ということは、起業としては、やはり失敗といわざるを得ない。

そうなる理由の一つは、私利私欲ではないかと思っている。私利私欲だからダメだ、と言うよりは、欲が小さ過ぎて話にならないと思うのだ。

・子育てやローンが終わり、収入や利益は、それほど必要ではない
・年金や保険などを考慮すると高所得・黒字決算は害にすらなる

などの小さい私利私欲が、創業の理念や志よりも優先されているケースが少なくないはずだ。それは大変残念なことであり、人間の進歩的な営みという視点からみても、間違っている。

ミドルの創業が失敗しやすい二つめの理由は、変化対応力だろう。とりわけ、意地とメンツが成功を阻む。

・今さら俺が人に頭を下げられるか
・どうして私がそんな雑用までしなければならないのよ
・なぜ年下に教わらないといけないの
・この年からまた開拓営業かよ
・・・ETC.

などの小さい自尊心やメンツが、成功のジャマをしてしまうようだ。

“がんばれ!高学歴ミドル”である。それには、小さな自尊心など構っておられないほどの、面白い目標を作る・見つけることである。自分で見つけられない人は、そうしたものを持っている若者の創業に参画するのも悪くない生き方だ。

再び、“がんばれ!高学歴ミドル”