■出戻り社員
出戻り社員の採用に力を入れてみませんか。よほどひどい辞め方をしたのなら別ですが、若気のいたりで転職したり独立したりした結果、うまくいかない時に再びそれを受け入れる度量が会社側にほしいものです。しかもそれは、社員の方からは言いだしづらいものなので、なんらかの方法で定期的に接触を保つ必要があると思うのです。
大企業の中には社員が一定年令に達したら積極的に起業のチャンスを提供している会社もあります。
起業のための時間と資金を提供し、もしうまくいかなかったとしても、ダメージなく会社に戻れる。そんな制度があるのですが、これほど社員思いの制度はないといえましょう。
我慢と妥協でこの会社で働いていると思わせてはなりません。
他の会社よりもここがいい、起業するよりもこの会社で働くことが自分には一番なんだと思えるように社員を支援するのも会社の自信ではないでしょうか。
出戻りといえば、昔、サラリーマン時代のころに親しくしていた後輩社員が退職してしまいました。私はそれが悔しくて悔しくて、毎週のように電話し、彼の様子をうかがっていたところ、ある日、「ご飯を食べたい」と彼の方から言ってきました。
居酒屋で話を聞くと「この転職は失敗だった」と落ち込んでいます。
「うちに戻る気はないのか」と私が聞くと「なくはないけど、許してもらえないだろうな」と言うのです。
そこで私は翌朝、役員の自宅に電話して相談したところ、あっさりと「彼だったら歓迎するよ」と言ってもらえたのです。
そうして三ヶ月後、彼は再入社を果たしました。
その数年後、私の方が彼より先に会社を辞めることになるのですが、彼は再入社後、別人のように真剣に働き、会社に貢献してくれました。
許可してくれた役員もおどろくほどの豹変ぶりでした。何よりも、私がびっくりしました。もともと少しふやけたところがある彼でしたが、一皮むけたのです。彼の事例が先例となり、その会社は何人も出戻り社員を受け入れる会社になりました。
私の知人のある会社では、退職社員を「卒業生」、今の社員を「在校生」と呼んでいます。一年に一回、OB会がありバーベキューをやるそうです。OB向けの会報誌も年に二回出ていて、非公式ながらメーリングリストまであるそうです。
もちろん、辞めていった社員の中にはそうした関係を望まない人もいるそうですが、こうしたオープンな関係を作ってきた結果、出戻り社員は全体の1割以上あると聞きました。
もっと意識して「出戻り対策」(もっといいネーミングを考えて)を研究してみましょう。
■今週の本
★『P&G式 世界が欲しがる人材の育て方』
?日本人初のヴァイスプレジデントはこうして生まれた
(和田浩子 著、ダイヤモンド社)
あなたの会社は幹部社員になにを要求していますか。
業績ですか?それとも人材育成?
P&G(プロクター・アンド・ギャンブル社)は、米国フォーチュン誌のランキングで、「社員の能力」が業種を超えて世界1位に選ばれた会社ですが、同社では5対5の割合で評価されるそうです。
どれだけ業績を伸ばそうとも、部下を育てられない社員は評価されないのです。全員が全員を教育する、教えることで自分も育つという教育的社風をつくることは時間がかかりますが、とても見返りの大きいことです。
日本人初のヴァイスプレジデント(副社長)になられた和田浩子さんご自身が書かれたこの本、今とっても売れているというだけあって読みやすく、分かりやすい本に仕上がっています。
P&G日本法人の秘書職に応募した彼女のお茶くみ時代の話から興味津々です。業種業態は関係ありません。読む人の立場も関係ありません。
チームで仕事をやる人に読んでもらいたい本です。
■多治見で講演します
売上げ2倍、利益4倍というテーマで多治見市(岐阜県)で講演します。
土曜日の午後ですので、おさそいあわせの上どうぞ↓
★武沢信行先生(有限会社がんばれ社長代表取締役)がやって来る!
講師:がんばれ社長 武沢信行氏
テーマ:『売上2倍、利益4倍にする5ヵ年計画の作り方』
・日時 : 11月8日(土) 14:30~16:30 (14:00 受付開始)
・場所 : 多治見市 セラミックパークMINO 国際会議場
岐阜県多治見市東町4-2-5 TEL:0572-28-3200
・会費 : 5,000円
★詳細・申込み → http://gtopi.net/topics/pc/10002/10278.html
■10月21日(火) 東京オープンオフィスサパー開催!
「がんばれ社長!」の読者なら誰でもノーアポでお越し頂ける「がんばれ社長!」東京オープンオフィスイベント。次回も夕食会です。
・10月21日(火)、午後6時30分開会、9時30分閉会、出入り自由
・東京都港区 西新橋3-15-8 虎ノ門デュープレックス リズ 1503号
有限会社がんばれ社長 東京オフィス 電話:03-3433-7681
・費用は無料ですが、自慢のワイン、シャンパン、酒、つまみ、珍味、特産品のいずれか一品持参でご参加ください。
当方では紙コップだけ用意してお待ちしています。
前回7月18日開催のときは、13名(女性1名、初対面3名)の熱い方々が南は福岡から、北は福島県から集まっていただきました。
問い合せ:がんばれ社長事務局 森本知佳 morimoto@e-comon.co.jp
■四字熟語の本について
最初、編集のIさんから「四字熟語の本を書いてほしい」と言われたときは人違いだと思いました。今年、2月のことでした。
「え、なぜ四字熟語?」「なぜ私なの?」と聞き返しました。
Iさんいわく、「ビジネスで使える四字熟語の本は意外に少ない。それに四字熟語のブームが来る予感がする」と。
「そうかなぁ」と言いつつもベテランのIさんの予感があたることを期待して、書店の四字熟語コーナーへ行ってみると、すでにたくさん本がでているではありませんか。
でもビジネス向けの解説がほどこしてある四字熟語本はほとんどない。
そこでさっそく四字熟語辞典のたぐいを数冊買い込んでめぼしい熟語を拾い集めていくと、なんと、あるわあるわ。
オモシロイです、四字熟語。
さっそくIさんに、「僕にやらせてください」と電話しました。
あれから7ヶ月、こちらは通販サイトの立ち上げや各地でのセミナー開始、青年の船に乗ったりして7月までは何も書けないと予告し、何とか8月脱稿でお願いしていたところ、北京五輪がおもしろかった。
結局、執筆開始は9月1日から。その後19日間はほとんど他に仕事らしい仕事を入れず、土日祝日返上で原稿執筆に充てました。
何千、何万もの四字熟語を調べ、ピンときたものを片っ端から抜き書きしていったら500語にもなってしまいました。
もちろん、「陰陰滅滅」(いんいん めつめつ)とか、「右往左往」(うおう さおう)とか、暗いイメージのものは取り上げません。
原則として、明るくて勇気がわいて、テンションが上がる、ビジネスで使える熟語だけを選ぶことにしました。
ただ、あくまで「厳選100語」がIさんの要求なので、泣く泣く切り捨てた熟語が400ほどにものぼりました。
その中には、「已己巳己」(いこみき、どれも似たり寄ったりという意味)という面白いものや、「勇猛果敢」「起死回生」「獅子奮迅」「猪突猛進」「電光石火」「泰然自若」「神出鬼没」など、最終候補まで残りながら最後になって「泣いて馬謖を斬る」羽目になったものも少なくありません。
そんな中で、「七歩之才」や「吐哺握髪」「抜本塞源」などの耳慣れない熟語が100選に残ったということは、それが経営に必要だからです。
番外編として武沢造語も八語だけ紹介しています。
過去にメルマガで書いた話題がでるところもありますし、本邦初の記事もありますが、いずれにせよ、文字数制限もあって、すべて書き直しました。お楽しみに。
12月発売予定 仮タイトル『使う!社長の四字熟語』(こう書房)
<追伸>編集のIさんからのメール
「武沢先生、この本かならず売れます。これは日本の社長の福音になると思います。12月の発売、本当に楽しみです」
この予感も当たってほしい。
私としても、過去ベストかなと思っています。