未分類

儲けのカラクリ

三笠書房の王様文庫から出ている『図解 儲けのカラクリ』が面白い。ふだん何気なく接しているいろいろな商売、それぞれがどのような原価や収益の構造になっているのかがよくわかる。こうした他業種のビジネスモデルを知ることで、我社に応用できそうな新しい発想が生まれてくる可能性がある。

いくつか例をご紹介しよう。

焼き芋の屋台販売事業

・客単価400円×一日客数90人×25日営業=90万円(月間売上高)
・芋の原価率は38%なので、粗利益率は62%(月間558,000円の粗利益)
・経費は屋台と釜のレンタル料125,000円、燃料代とガソリン70,000円以上差引36万円強が、人件費を差し引く前の営業利益と なる。

「フーン、なるほど」で終わるのでなく、この事業を見て何かを考えていただきたいのだ。例えばこうだ。

一日仮に12時間営業だとしたら、仕込みと片づけを入れて15時間労働。

月間換算で375時間労働で36万円の営業利益ということは、時間給では960円にしかならない。でも仮に、時間給750円のアルバイトに運営を任せたら、一時間あたり210円の利益が出る。10台、100台の規模にしたら悪くはない。

でも芋が売れない季節には何を売ろうか?

・・・など、関心は尽きない。

場合によっては、本当に屋台と機材を借りてきて新人研修の一環として焼き芋を売り、収支計算を自分でやらせてみるのも良いだろう。

その他にも興味深い話題が多い。例えば、

・過当競争に入ったといわれるマンガ喫茶。さてお店には最低でも何冊のマンガを揃えると良いとされるだろうか。また、一部の 有力店は今、どのようにして差別化を推し進めているのだろうか。

・居酒屋でもっとも原価の安いメニューといえば何だろうか。あなたの行きつけのお店にも、このメニューはきっとあるはずだ。

・少子化の流れは学習塾の経営にプラスなのかマイナスなのか。プラスにするために、どのような取り組みが行われているのだろ うか。

・ホテルの売上げは、都内のシティホテルの場合で宴会60%、宿泊25%、飲食15%といわれる。業界は今、どの部門を伸ばそうと 躍起になっているのだろうか。

こうした本は、スラスラ読んでお仕舞いにするのでなく、考えるヒントや会議前の話題として面白いと思う。