今日は3月に続いて二回目の合同企業説明会。
午前9時から名古屋の吹上ホールに来ている。来春の新卒者を採用すべく、今日から二日間ブースに貼りつく。ちょうど昨年の今日、この会場で出会った学生の小田君が今我社の戦力になってくれているように、来年、我社の戦力になってくれる男女各一名を採りに来た。
だから今日のメルマガは採用ブースの中で周囲を気にしながら書いている。
何を書こうかあれこれ迷ったあげく、ゲーテの名言をご紹介しようと思いいたった。
今まで「がんばれ社長!」の【今日の言葉】として何度もご登場願ったゲーテを、一気にまとめてご紹介しようということだ。
その理由は明快で、私自身がゲーテの言葉が好きだから。
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(Johann Wolfgang von Goethe, 1749年8月28日~1832年3月22日)。
ドイツの詩人、劇作家、小説家、科学者、哲学者、政治家である。
まずはこれ。
「人間はひとりでいるということは良くない。仕事を一人でするというのは、特に良くない。むしろ彼が、何かを成就しようとするならば、他人の協力と刺激とが必要なのだ」
ひとりは良くないと私も思う。我社も新人が入社してからとたんに規律とか秩序が生まれてきたように思う。
次にこの二つ。
「人間は社会の中でものを教わることができよう。しかし霊感を受けるのはただ孤独においてのみである」
「才能は静けさの中で作られ、性格は激流の中で作られる」
たくさんの人と会議やミーティングでワイワイやるのも楽しいし、アイデアもたくさん浮かぶ。
だが経営者には孤独や静けさも必要だ。
会社ではできるだけ社員のために時間を割いてあげたい。自宅では家族のために、外出先では顧客や友人のために時間を割きたい。
いたるところであなたの時間が必要とされている。だが、あなた自身のための時間も持とう。それは、孤独な時間、静けさの時間である。
次はこの二つ。
「われわれの本性は、怠惰へ傾いている。だが、われわれは活動へと心を励ます限り、その活動の真の悦びを感ずる」
「今日をだらだらと無為に過ごす。明日も同じこと。そして次の日はもっとぐずぐずする。ためらいのひとつひとつが、それぞれの遅れをもたらし、日々のことを後悔しつつ日々が暮れていく。おまえは本気でやっているか?一瞬考えてみるがいい。思い切りのよさには才能と力と魔術が内在する。ひたすら没頭すれば、心に灯が点る。始めるのだ。そうすればその仕事は完成する」
うむ、こちらの怠惰さを見抜かれているようで耳が痛い。
次はこれ。
「大切なことをつまらぬものの犠牲にしてはならぬ」
大切なこととつまらぬこととの峻別ができる人が社長なのでしょう。
次はこれ。
「永いこと考え込んでいる者が、いつも最善のものを選ぶわけではない」
「自分にできること、あるいは夢に思い描いていることは、すべて実行に移すことだ。大胆であれば、非凡な能力と不思議な力を発揮できる」
思ったことは大胆にやれ、逡巡するな、という強いメッセージだ。
日曜日の朝の将棋番組を見ていても、強い人は短時間勝負の早指戦も強い。決断力があるのだろう。
次のメッセージなどもある意味、それと同類だろう。
「ある人が覚悟を決める前には、躊躇がある。つまり腰を引いてしまうことがある。最初にとりかかる行動のすべてに関して、本質的な事実がひとつある。これを無視すれば、無数のアイデアやすばらしい企画の息の根が止まってしまう。それは、人が必死になるとき、自然の摂理も動くという事実だ。あらゆるものは、それが支えなければ生まれないはずのものを支えるために生まれる。自分に何ができても、あるいはどんな夢を見られるにしても、とにかくそれを始めよう。大胆さには、本来、天賦の才、力、そして魔力が備わっている。今こそ、それを発揮させよう」
次にこれはいかが。
「人々は理解できぬことを低く見積もる」
オレンジレンジだ、湘南之風だ、ケツメイシだ、エグザイルだ、コブクロだ、と知らないタレントがテレビに出だしても彼らを低く見積もるのはよそう。
タレントの話題なら笑ってすまされることでも、ビジネスにおいて理解できないものを低く見積もると会社そのものが立ちゆかなくなる。
一風変わった言葉にこんなのがある。
「人はいかに遇されるかによって、それなりの人物になっていく」
社員も家族も友人も、大切に遇してあげたいものだ。
そろそろ動物的エゴから卒業したい。
「10歳にして菓子に動かされ、20歳にしては恋人に、30歳にして快楽に、40歳にしては野心に、50歳にしては食欲に動かされる。いつになったら人間はただ知性のみを追って進むようになるのであろうか」
200年前、ゲーテが鳴らした警鐘は今を生きる私たちの前でも鳴り続けているようだ。
最後はやっぱりこれで締めよう。
「大業を成し遂げようと思ったら、年老いても青年でなければならない」