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リスペクトと自己啓発

組織の優劣はリーダー1人の力で決まる。決してメンバーの力で決まるものではない。

フランスには 「1頭のライオンに率いられた100匹の羊の群れは、1匹の羊に率いられた100頭のライオンの群れに優る」という諺がある。

似た言葉に、「ゴールを征服したのはシーザーに率いられたローマ人であり、たんなるローマ人ではない」というのもある。

さらには英国の経済学者は、「組織とは凡庸な人を率いて非凡なことを為すところ」と教えており、リーダー次第で組織の盛衰が決まってしまうという教えは数多く残されている。

さて、これから組織づくりを始めようと考えているスモールビジネスのリーダーは、何をしなければならないか。

まずは、人件費の不安をなくすことだ。

それには、あなた一人で2,000万円以上の年間粗利益は弾き出したいものである。
そうすれば、採用した人材が誤採用であり、利益貢献ゼロだったとしてもそれほど経営に打撃を与えない。

費用が乏しいと、部下の働きぶりの細かい点まで気になって、かえって気苦労が絶えない。

採用する人材は、使いやすい部下、かわいい部下に限る。

「優秀ではあるが使いにくい」という人はいらない。

いちいちこちらの意図を説明しなくても、「分かりました!」と元気よく、意のままに動いてくれる一回り以上年下の社員が良い。

当然、こちらのことをリスペクトしてくれる人でないとやってゆけない。リスペクトとは「尊敬」と訳すが、そこまでいかなくとも、敬意をもって接してくれるだけでも充分なリスペクトだと考えよう。

仕事を頼むのに、いちいち面倒くさそうな顔をされたり、こちらが言葉を選んで気兼ねして話さなくてはならない相手は部下として不適格だろう。

使いっ走りから雑用、掃除や給茶までなんでもこなし、それでいて仕事はきっちり全うする人を見つけよう。こちらも心からその部下にお礼を言いたいし、お返しもしたい、仕事が楽しくなる、そんな相手を見つけだすのだ。

仮に、将来の夢やビジョンに賛同してくれなくても当面は何ら問題ない。
それよりも、今やっていることや、やろうとしていることにきちっと貢献してくれる人が必要だ。

この段階では、まだ、「君が幹部だ」とか「将来、役員候補だ」などと言ってはならない。少なくとも一年間はともに働いてみないと、その人材のコンスタントな実力は見抜けない。

こちらの事をリスペクトし、自己啓発する若者であれば、グングンあなたをサポートしてくれるようになるだろう。
リスペクトしてくれないとか、自己啓発をしない、そんな若者はグングンあなたのお荷物となっていくだろう。

当然、社長という役職だけでリスペクトされる要素が充分備わっているはずだが、あまりに友だち感覚で接したり、弱点を見せすぎたりするとリスペクトされなくなる。

リスペクトされるか否かは大半があなたの問題だが、中には、そもそも人をリスペクトする能力が欠如している人も少なくないので注意しよう。

世間では、サービス残業問題や、名ばかり管理職問題がとやかく言われているが、若者は残業経験で成長する。
だから、ハードワークで鍛えてあげよう。若いうちに残業なんかしなくていい、などと甘やかしてはその人の将来のためにならない。

だから、残業ゼロの会社=良い会社、とは私は思わない。

おもいっきり残業をさせてあげよう。だが、サービス残業を強制したり、それを暗示させるものであってはならない。必要なコストはきちっと払おう。社員のボランティアで得た利益など無価値なのだ。

そのあたりは、あなたと若者がきっちりと話し合って双方の認識に食い違いがないようにしておこう。

このようして鍛えられたかわいい若者がやがて先輩になり、後輩を躾けていくとき、その組織には、リーダーの思い描いた通りの文化と社風が築かれていくことになる。

すべてはリーダーの一存で決まっていくものであり、組織づくり・人づくりに対する初期段階の安易な妥協は、将来、大きな禍根を残すことになる。最初が大事なのだ。

そして、いつでも「今日が最初の日」として組織づくりを再スタートできるものでもある。

リーダーはあなただから。