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リテンション

昨日、我が社に小田康宏君が正式に入社してくれた。

新卒学生採用 第一号の社員として、「入社証書」に”末永く我が社で力を発揮されんことを切望します”と書いて彼に授与した。
入社式のあと5名のスタッフ全員参加による第18期経営マニフェスト発表会を行い、夜には小田君の歓迎会が。

彼にとっても会社にとっても記念すべき一日になった。

昭和60年生まれの小田君のあとには、やがて平成生まれの社員たちも入社してくるだろう。
そうした若者が目を輝かせて、日本の社長のためにがんばろうと思ってくれるフィールドを作ることも私の大切な仕事だと思う。

「人は石垣 人は城」と甲斐の武田節に唄われるように、人は財産である。
今まで私が一人で考えてきた事を、彼らも真剣に考え、行動するのだ。

そうした貴重な人材をいつまでも社内に引き留めることを経営用語で「リテンション」という。
リテンション戦略がうまくいかないと、期待の人材が去っていくことになり、言うまでもなく、そのマイナス影響はとてもデカイ。

たとえば、

・人材補充ロス
新たな求人費用が発生するだけでなく、その手間暇や教育コストを含めると一人百万円から数百万円の損失と考えても間違いではない。

・社員の雰囲気悪化
「え、どうして辞めるの?」とか「やっぱりあの人は辞めるんだ」という空気が社内に流れるだけで、何らかの悪影響がでる可能性がある。連鎖退職ということ
も想定して手を打たねばならない。

・社長の落胆
お客が去る以上に、期待の社員が去ることのショックは大きい。しかも、自分さえきちんとしていたら彼・彼女は去らなかったと思うと悔しくてしようがない。
あまりの落胆に、1~2ヶ月間、仕事が手に付かない社長もいるほどだ。

・機会損失
彼・彼女がいてくれたら進められた仕事ができなくなることによって失う利益も少なくない。

・企業情報の流出
場合によっては機密が外部に漏れるリスクも否定できない。

・顧客流出
ある程度予防できるが、これも全面否定できない。

・組織の混乱
辞めた社員がやっていた仕事は誰かがかぶることになる。しわよせを被る社員の時間的・心理的負担やその余波は組織の混乱要因になる。

このように退職のダメージは大きく、リテンション(社員の退職防止)はとても大切な経営課題なのだ。

だが、これがうまくいっているからといって、すべてがOKというわけではない。問題は中味である。

不良社員や問題社員がいて、そうした人たちが辞めずにずっと残っていては、リテンションが成功しているとは言えない。
あくまで優秀な社員が残り、問題社員たちは辞めていく会社を作りたいものである。

そうした会社にとっては、社内が優秀社員ばかりになるまでのある一時期は、離職率が高まることを覚悟せねばならない。

その後の離職率は、一桁にとどめたいものだ。

その結果、業績の良い会社は社員の定着率も良いと断言できるようになるし、反対に、業績の悪い会社は社員の定着率も悪いといえるようになる。

それを証明したのが次のデータ。

アメリカの「フォーチュンベスト100」に入っているIT関連企業の自発的離職率は、信じられないほど低い数字になっているのだ。

以下、2007年における各社の自発的離職率

・シスコシステムズ 5%
・SASインスティチュート 4%
・マイクロソフト 6%
・クアルコム 1%
・テキサス・インスツルメンツ 5%
・アドビシステムズ 6%
・インテル 4%

※自発的離職率とは、定年退職や解雇による離職を除いた退職者を、正社員数で割ったもの

日経BPサイトより ↓
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070608/274140/

「リテンション戦略」を重要な経営課題に掲げる必要のある会社もある。そして、リテンションに対する真摯な取り組みは、必ず報われるものでもある。

報酬を吊り上げるだけがリテンション対策だと思うと大間違いだ。むしろ逆効果になることもある。

あなたが出来る「リテンション」のための具体策を20個紙に書いてみよう。