先日お会いしたある年配社長は語る。
「武沢さんね、私はやがて日本が破滅すると思っとるんだよ。なぜなら、日本の借金がいくらあるか知ってるかね。すでに××兆円もあって、家計でいえばとうの昔に破綻している。こうしている間にも、何億円という単位で支払い利子が増えているんだよ。分かりますか。だから日本はダメなんだと」
まるでその真実を自分が見つけてきたように得意げにまくしたてる。
だからどうするという意見も意思もない。
憂国の精神は貴重だが、そのために立ち上がらねばならない。
蛤御門の変で24才にて落命した久坂玄瑞の詩をご紹介しよう。
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そうあい ふみやぶる ばんちょうのやま
雙鞋 蹈み破る 萬重の山
ここのえにむかって やきんを けんじんと ほっす
九重に向かって 野芹を 獻じんと欲す
このさい だんじ かぎりなしの こころざし
此際 男兒 限り無しの志
らんらくに ようふんを ふせしめん
鸞輅に 妖氛を 付せしめん
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【意味】
この草鞋で幾重に連なる山々も踏み破ってやろう。
田舎者ではあるが、人のため何かがしたくて、心は天朝に赴いている。
この国家の一大事に男児たる者、その天下の志は限りなく溢れ、神国日本に外夷の穢れなどを近づけさせはしない。
幕末の志士は互いに集っては酒を酌み交わし、こうした漢詩を披露しあったという。
これは自らの志を練り上げるために必要なことだったのだろう。
国難の今こそ、吉田松陰が言う「草莽崛起(そうもうくっき)」が必要なのだ。
それは年令や立場を問わず、在野の志ある者たちが、新しい時代を築くために立ち上がることである。
冒頭の年配社長のようなコメンテーターもどきは不要なのだ。